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ヴィンテージ ペンドルトン ウールシャツの年代の見分け方

今回はヴィンテージ・ペンドルトンの年代の見分け方について、現時点で把握している情報を元に考察した内容を紹介致します。ここでは特にウールシャツのタグ表記に着目して、年代判定の目安についての考察を行いたいと思います。

尚、年代の判定材料については、明確になっていないところもあり、高い確度で判明している部分とそうでないものとあります。予めご了承下さい。新たに判明した事等がありましたら、追記、修正等を行うように考えております。

まず、年代の判定及び推定において、タグの表記形式が重要な判断材料となります。大まかなタグの表記形式と年代は一般的に以下の様になっています。

まず、現時点でペンドルトンのシャツで最も古い年代と認識されているタグを紹介します。

Tag


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タグの下半分に3行に分かれて、”PENDLETON WOOLEN MILLS”, “PENDLETON, OREGON”, “100% VIRGIN WOOL”と記載されています。2行目の”PENDLETON, OREGON”の表記は最初期のタグのみに見られる特徴的な表記です。それ以降のモデルは全てPENDLETONではなく”PORTLAND, OREGON”となっています。

尚、タグ自体の大きさも小ぶりで、この次の世代のタグよりも一回り小さいです。

1924年に、それまでのウールシャツの常識を覆すペンドルトンのカラフルな格子柄のウールシャツが発売されました。大まかなところでの年代の推定としては、”PENDLETON, OREGON”表記がある最初期のタグは、恐らく1924年の発売開始以降から1930年代にかけて使用されたと思われます。

次の世代のタグを以下に紹介します。

 

本タグは最初期のタグ表記形式、特徴を継承して一回り大きなタグサイズとなっています。表記上の変更点は、”PENDLETON, OREGON”から”PORTLAND, OREGON”になったことです。第一世代と第二世代のタグに共通する主な特徴は以下の様なものがあります。

サイズ表記がタグに記載されていません。また、後述する後の年代の物と比べると”PENDLETON WOOLEN MILLS”の各単語の頭文字の”P”, “W”, “M”が他の文字よりも少し大きくなっています。さらに細かい点としてはロゴの”PENDLETON”の縁取りのラインの入れ方と”の位置が異なります。

第2世代のタグの付いたシャツの全体写真です。

ご参考までに手持ちの別のシャツの同表記形式のタグを以下に添付します。

Pendleton est 40s-50s tag 01

最初に添付した写真のタグと二枚目のものが、上述の表記形式と共通の特徴を持つ事が確認できます。このタグは下に白い布が縫い付けられており、そこにサイズとモデル(品or型)番が表示されています。

第一世代から第二世代のタグの移行期がいつだったのかは、現時点で明確ではありません。大まかなところで第1世代は1920年代から1930年代、第2世代のタグは1940年代からとするのが一般的に認知されています。1939年に第二次世界大戦が勃発、戦時下、ペンドルトンはユニフォームやブランケットの生産を行っていたため、シャツはほとんど生産していませんでした。

第2世代のタグは戦後の1940年代後半からと推測した場合、少し気になる材料があります。下に添付する写真は、1949年発行のカウボーイ向けのカタログの中になるペンドルトンの製品ページに印刷されていたタグのイラストです。

1949 catalog tag

最後の行が”PENDLETON, OREGON”になっています。これはイラストであり、実際のタグの写真ではないこと。そして、タグの表記にある”100% VIRGIN WOOL”の表記がないなど疑問の余地があるものの、少し気になるところです。

一方で現存するペンドルトンのウールシャツの中で第一世代と第二世代の表記タグのシャツは極端に数が少ないです。この事等を考えると第2世代のタグ付きの製品は、戦後生産されていたとしても、それ程長い期間は製造されずに次の世代のタグに移行したと思われます。

戦時中は実質的には生産されていない事等から、第二世代のタグは戦前の30年代の後半に登場、大戦によって生産停止、戦後再開した。または、終戦後から登場し、50年代に入って比較的すぐに第3世代のタグに移行したとも考えられます。

下の写真は第3世代のタグです。

3rd generation tag

サイズの表記が右下の隅に追加されているのが表記上の大きな特徴です。ロゴの縁取りの形状、”の位置等が若干変更になっています。また、”PENDLETON WOOLEN MILLS”の文字が同じ大きさに変更になっています。

この第3世代タグの製品と第2世代のタグの製品の残存数を比べると、前者の方が圧倒的に多いです。後者はほとんど残存していません。このことを考慮すると、本タグは1950年代の中頃かそれ以前から使用されていたと現時点では推測しています。

1960年に洗濯機で洗う事のできる加工を行った生地を使用したウールシャツが登場します。この洗濯機使用可のウールシャツの登場と同時にシャツの内側の右肩部に白布の取り扱い説明タグが加えられます。

このため第3世代のタグで取説タグが無い物は1950年代の製品と推定できます。

1960 care instruction

最後の表に© 1960 Pendleton Woolen Millsの表示があります。第3世代タグ(サイズ表記あり、ウールマーク無し)に、本タグが付いた製品は最初期の洗濯機使用可のウールシャツと言うことになります。さらに取り扱い説明タグの©の年が以下に添付する様に1962のものがあるため、上記タグが付いた製品は1960年か1961年のものと判定する事ができます。

1962 care instruction

この後、取り扱い説明タグから©の年表記が廃止されます。

1960年代にポリエステルやアクリル等の化繊を使用した衣類が急速に広まりました。化繊に対抗するためウールが高品質である事を保証するウールマークを、1964年にIWS(International Wool Secretariat)が発表します。

ウールマーク発表直後から直ちにペンドルトンがそのロゴをタグに表示する様になったかは定かではありませんが、ペンドルトンの製品の特徴や市場の位置づけ等から、ペンドルトンは積極的にウールマークの表示に動いたと思います。そのため、1960年代の中頃にはウールマーク付きのタグに移行したと考えています。

4th generation tag

上のタグが第4世代、ウールマーク付きの最初のタグです。第3世代のタグ表記の枠の下にウールマークのロゴと”PURE VIRGIN WOOL”の表記が加わります。

このタグの付いたウールシャツの残存数は次の世代と比べて少なく、また、前の世代と比べても多いように思えないことから、それほど長い期間(5年程度?)使われずに次の世代(MADE IN USA表記付き)に移行したと推定しています。

5th generation tag

第5世代のタグは、新たに”MADE IN U.S.A.”がPURE VIRGIN WOOLの下に追加されます。本タグは90年代頃までのかなり長い期間使用されています。

第4世代のタグ付きの製品との残存数等やMADE IN U.S.A.表記が加えられた時期の推測を考慮して、第5世代のタグが登場したのは1970年代前半ではないかと現時点で推測しています。

以上、タグ表記に着目してペンドルトンのシャツの年代の考察を行いました。一通りの表記形式の変化を振り返ってみると、その年代における時代背景との関わり等が分かり、興味深い物があります。

ヴィンテージの製品が生まれた時代の事を考えたり、出来事等を知ったりすることも、ヴィンテージの楽しみ方の一つだと思います。

尚、新たな情報、判明した事があれば、適時、加筆、修正を行うように考えております。

(更新履歴)

2014年4月18日: 第1世代のタグの写真と説明を加え、それに合わせて前半の記述を変更しました。

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