
1937年に、新品のリーバイス501に付属する最初期のフラッシャーが登場しました。本記事では、最初期フラッシャーの記載内容について紹介します。下は、1937年に制作された最初期のフラッシャーです。この画像は、リーバイス元ヒストリアンLynn Downeyさん著のImages of America Levi Strauss & Co. から引用し、注釈を加えたものです。
最初期フラッシャーの記載内容
以下、上から順に記載内容です。
- U. S. PATENT No. 1999927
- CONCEALED COPPER RIVETS
- THE RED-WHITE POCKET TAB IDENTIFIES GENUINE LEVI’S
- LEVI’S、そして上にTHE RIVET’S STILL THERE
- POSITIVE NON-SCRATCH PROTECTION
- + PLUS +
- FAMOUS COPPER-RIVETED STRENGTH
- LEVI STRAUSS AND COMPANY
- Copyright 1937, L. S. & Co., S. F.
中央メインにLEVI’Sが大きな文字で記載され、左右に矢印が描かれています。(上記項目4) 矢印はバックポケットの両端のトップにある隠しリベットの位置を指し示しています。LEVI’Sの文字の上に”THE RIVET’S STILL THERE”(リベットはまだそこ(矢印の先、ポケットの両端)にありますの意)とメッセージが被せて表示されています。
一番上の行には、U. S. PATENT No. 1999927 と隠しリベットの特許番号が記載されています。(項目1.) 続いて、CONCEALED COPPER RIVETSです。(項目1.) CONCEALは、「見えないようにする」、「隠す」と言う意味です。
隠しリベットは、英語ではHidden Rivetとも呼ばれています。hiddenは、隠すの意のHideの過去分詞で、隠されたと言う意味です。最初期のフラッシャーの記載から、隠しリベット登場時のリーバイス社の英語での呼称は、Concealed Rivetだったことが分かります。
3行目、THE RED-WHITE POCKET TAB IDENTIFIES GENUINE LEVI’Sは、赤と白のポケットのタブは、本物・真のリーバイスであることの証(識別子)ですという意味です。
1920年代以降、リベットを取り付けたデニムパンツ(ジーンズ)は、どのメーカーでもLEVI’S(リーバイス)と呼ぶことが普及していたため、リーバイ・ストラウス社は、LEVI’Sを商標登録しました。当時は、バックポケットのアーキュエットステッチも商標登録していなかったため、他社製品もアーキュエットに似た形状のステッチを入れていました。一見して、本物のリーバイスのオーバーオール(本物のリーバイス)であることを外観から分かるようにするために、赤タブが考案され、1936年から右バックポケットに取り付けられるようになりました。
5行目、POSITIVE NON-SCRATCH PROTECTIONは、家具や馬の鞍、車のシートなどに、リベットによるひっかき傷を付けない(防止する)特徴を記載するものです。
6行目は、ひっかき傷防止(予防)の特徴に加えてを強調する”+ PLUS +”、そして、FAMOUS COPPER-RIVETED STRENGTH、有名な同リベットによる取り付け強化の特徴が記載されています。
8行目は、社名。9行目は、フラッシャーが制作されたのは、1937年であること、コピーライトで保護されている(意匠はリーバイス社に属する)ことが謳われています。
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