ロングホーンインポート

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501 最初期 ビッグE 刻印W 33W-36L

ヴィンテージ・リーバイス 501 最初期のビッグEを紹介します。本品は501XXからビッグEへの移行期の最初期であることを示すディテールを備えているのが特徴です。本品のディテールの特徴を説明し、その後、本品のコンディションなどを紹介します。

1966-67年頃に501のパッチに表記されるロット番号、501XXから501に変更になりました。前者のパッチを備える501は、501XXと呼ばれています。このパッチのロット番号表記の変更後のモデルは、通称ダブルネーム、タイプ物、VステッチのビッグE、平行ステッチのビッグEがあります。

一般的に年代の古いモデルから順に、以下のように認知されている場合が多い様に思います。

  1. 最終501XX
  2. ダブルネーム
  3. タイプ物
  4. ビッグE (Vステッチ)
  5. ビッグE (平行ステッチ)

しかし、タイプ物はVステッチだけでなく、平行ステッチの物も存在します。また、Vステッチの物でも古い年代のディテールを備える物と後の年代のディテールの物があります。

そのため、ロングホーンインポートでは、年代順に以下の様に分類しています。

  1. 最終501XX  (カンヌキ無し)
  2. 最初期ビッグE (以下参照)
  3. ビッグE前期 (Vステッチ、目の詰まったアーキュエット)
  4. ビッグE後期(平行ステッチ、目の詰まったアーキュエット)

最初期ビッグE

ダブルネーム、最初期タイプ物、最初期ビッグEは、パッチの表記から呼び名は異なりますが、以下の特徴的ディテールを備えているのが共通の特徴です。ディテールから、501XXからビッグEへの移行期の初め頃に生産された同年代のモデルであることを示しています。

  • トップボタン裏刻印がアルファベット1文字
  • アーキュエットステッチがイエローでピッチが大きい
  • (ずれカン)

今回紹介する501は、パッチ表記は通常のビッグEですが、最終XXや通常のダブルネームと上記の古い年代のディテールを備えています。以下、ビッグE最初期、移行期を示すディテールの紹介です。

ボタン裏刻印アルファベット一文字

パッチのロット番号表記とほぼ同時期に、トップボタン裏刻印もアルファベット1文字から数字に変更になりました。アルファベット1文字の刻印は、501XXとダブルネーム、最初期のビッグE、最初期のタイプ物の特徴です。

本品はボタン裏刻印はWです。刻印Wはギャラ入り、ギャラなしの501XXに比較的よく見られます。

DSC_0058

アーキュエットステッチがイエロー

501XXはアーキュエットステッチがイエローなのが特徴です。通常の501 ビッグEとそれ以降のモデルは、アーキュエットステッチはオレンジです。イエローのアーキュエットステッチは、501XXからビッグEへの移行期の初期のモデルに見られる特徴です。

本品のアーキュエットステッチは、イエローです。また、ピッチもXXと同様に大きいです。(詳しくは、下の豆知識のところをご覧ください。)

501 最初期ビッグE 刻印Wのバックポケット部
501 最初期ビッグE 刻印Wのバックポケット部

比較のため、以下は通常ビッグEのバックポケット部の写真です。

501 Big E Back Pocket
501 ビッグEのバックポケット部・アーキュエットステッチ

豆知識:

501XXはアーキュエットステッチのピッチが広いのも特徴です。ステッチのピッチが広いため、消失しやすい傾向があります。着用が進んだ501XXは、アーキュエットステッチが部分的、または全て消失している物がほとんどです。

501ビッグEではアーキュエットの消失を防止するため、ステッチの幅が詰まった仕様になっています。あまり知られていないことですが、比較して見ると501XXとビッグEのアーキュエットのピッチが異なることが分かります。

この詰まったピッチのアーキュエットステッチは、ビッグEから66に見られる特徴になります。

下の写真、左は最初期ビッグE、中央タイプ物、右66前期です。

Arcuate pitch comp

ずれカン

501XXからビッグEに移行後、クロッチからフライ部(前立て)に向かって逆U字状に入るステッチの上部にカンヌキが加えられました。この箇所にカンヌキが入るか否かは、最終501XXと最初期ビッグE(含むダブルネーム)の判別法として認知されています。

関連記事:ギャラ無し501XXとビッグEの見分け方

ビッグE初期のモデルでは、カンヌキの位置が少し上にずらされて入れられている物が多いです。このステッチの特徴的な入り方は、通称”ずれカン”と呼ばれています。

尚、通常のビッグEや後の年代のモデルでも、時折(まれに)カンヌキがずれているものがあります。ずれカンだけでは最初期ビッグEとは判定できません。また、刻印英文字一字、アーキュエットイエローでも、カンヌキがずれていないものも存在する可能性があります。

DSC_0053

以上が最初期ビッグEを示すディテールです。パッチ表記以外のディテールは基本的に同じため、年代や仕様は、ダブルネームと同時期と推定しています。

以下、本品の紹介になります。

フロントトップ部

生地の色、風合い、雰囲気も501XXに近いです。

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以下、フロントトップエリアの各部の写真です。

 

後ろウエスト・ヒップエリア

全体的には色は結構残っていますが、ウエストバンド、バックヨーク、バックポケットのステッチの部分は、色落ちが目立つアタリが発生しています。これをパッカリング(のアタリ)と呼びます。

アーキュエットがイエローであることもそうですが、生地の色味、雰囲気は、後ろから見ても501XXに近い印象を受けます。

DSC_0072

パッチはほぼ全て残っています。ロット番号とサイズ表記も読み取れます。サイズは、ウエスト33インチ、レングス36インチです。

表記は通常のビッグEと同じです。ダブルネームや最初期のタイプものに見られる追加の表記はありません。しかし、上に紹介したようにディテールは古い年代、移行期の初めの頃のモデルであることを示しています。

DSC_0048

赤タブは、ビッグEの不均等Vです。501XX最終期以降は、基本的に不均等Vが取り付けられています。(まれにビッグEでも均等Vのタブが付いているものもあります。)

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裾部

裾はオリジナルレングスで、裾裏のステッチはチェーンステッチです。表側から見ても、チェーンステッチの特徴的なうねりのあるアタリが発生しています。

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チェーンステッチのコンディションも良好です。

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不具合箇所・特筆すべきコンディション

ヴィンテージ・ジーンズは、細かく見る・粗探しをすれば、大なり小なり何らかの不具合が見つかります。考え方・受け取り方にもよりますが、一般的に不具合と思われるようなもの、例えば生地の織り傷などは、ヴィンテージの持ち味と捉えられる場合もあります。

ここでは、気がついたコンディションに関連した箇所を紹介します。

左足裾から少し上のインシーム付近に小さな穴があり、周辺が少しほつれています。下の写真の中央付近、裾から少し上、インシームのステッチの左側です。表側から見るとほとんど気づかない程度の状態です。

DSC_0078

当該箇所の内側の写真です。少しですが小穴(ピンホールに近いです)付近の生地が若干ほつれています。

DSC_0080

着用上はほぼ問題はないと思います。

続いて、クロッチ付近の写真です。若干ですが擦れがあります。一般的なユーズドのヴィンテージ・ジーンズのコンディションの観点でいえば、良好な部類です。しかし、個体差がある箇所なので、写真で紹介いたします。

DSC_0082

写真向かって左側の拡大写真です。

DSC_0084

これら以外には、特に記載すべきコンディション箇所は現時点で見つかっていません。一般的に言えば、全体として(かなり)良好なコンディションだと思います。

全体写真

前側の全体写真です。左足のアウトシームのねじれが強く入っています。この捻れはヴィンテージ501の特徴です。アウトシームもほぼ全て上から下まで開いており、アタリが形成されつつあります。

DSC_0062

後ろの全体写真です。

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前後共、膝から裾にかけて部分的に波打ったような箇所があり少し退色しています。501XXで比較的良く見られる生地の傾向です。

色味比較

色もまだまだ残っており、全体的なコンディションも良好です。

色味のご参考として他のヴィンテージ501と並べて撮影した写真を以下に添付します。

vintage 501XXs and 501s

左から、ベルトループオフセット501XX 2本、本品(最初期ビッグE)、ビッグE Vステッチ、ビッグE 平行ステッチ、66前期です。後ろは、557xx サード(サイズ38 パッチ付き)です。

  • ベルトループオフセット501XX
  • 501xx-501 ダブルネーム
  • 推定最初期ビッグE 刻印W(ダブルネーム相当)
  • ビッグE Vステッチ
  • ビッグE 平行ステッチ
  • ビッグE 平行ステッチ 推定ワンウォッシュ

サイズ

表記サイズ: 33W-36L

実寸サイズ:

ウエスト: 約80cm

レングス: 約81cm

実寸は平置きによる計測です。測り方で誤差が生じます。

実寸のウエストサイズについての補足説明

本品は、洗濯後の状態です。(ヴィンテージを含む)ジーンズは、もっと着用感があるものを含めて、洗濯直後は大なり小なり縮みます。ウエスト部はほぼ確実に少し縮みます。穿くとすぐに縮んだところ(特にウエスト)は伸びて洗濯前のサイズ近くに戻ります。(最初の洗濯時は縮みの幅が大きいですが、洗濯を重ねるごとに縮みの幅は小さくなっていきます。)

本品は、平置きの計測(床に置いた状態)で、ウエストバンドを全く引っ張らずに測って、左右の幅が約40cmでした。2倍して、ウエスト約80cmとなります。

ウエストバンドを左右に軽く引っ張ると、左右の幅は約41cmです。同様にウエスト約82cmとなります。

少し強く引っ張ると41.5cm、同83cmになります。

本品は洗濯して保管しているため、基本的に洗濯直後の状態と同じため、多少縮んでいます。ウエスト部の縮みは、穿くと洗濯前のサイズ近くまですぐに戻ります。

本品は穿けば、ウエスト82cm程度になると予想します。

また、洗濯した場合、乾燥直後は、現在の状態と似たように引っ張らない状態で80cm前後、穿くとすぐに戻って82cm前後になると思います。

洗濯前後のサイズの変化は、基本的に横側に関連(特にウエスト)しています。レングスは、穿いても基本的には変わりません。

サイズ的にも中々ないサイズです。ヴィンテージ501はレングスが短かくなっているものが多く、本品は実寸でレングスが約32インチ程度あります。

サイズ的にも貴重、希少価値があると思います。

 Webストア商品ページ

1960年代 501 最初期BIG-E (表記サイズ 33W-36L) 

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