ロングホーンインポート

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ヴィンテージ リーバイス 革パッチ 片面タブ 501XX

ヴィンテージ リーバイス 革パッチの501XXを紹介します。濃紺、ワンウォッシュから数回ウォッシュ程度の革パッチの501XXは、非常に希少性が高く、滅多に見つかりません。

お客様よりご依頼を受けてから、1年以上経ってサイズを含め条件を満たすものがやっと見つかり、入手しました。本品は片面タブ、その中でも戦後のモデルチェンジ直後と推定するディテールを備える貴重な品です。

入荷した時点のコンディションとしては、若干の着用感は感じられるものの、ワンウォッシュ程度の濃紺のコンディションでした。生地は糊が少し残っている風合いをしていました。

古い年代のデニム製品で、糊がある程度残った状態でそのまま穿くと、生地が傷んだりしやすいです。本品は濃紺で着用感が少ないと思えるにもかかわらず、一部若干擦れなどが見られました。

着用を前提とする場合は、まずは洗濯して穿く方が望ましいです。デニムは水を通すと、生地に張りが戻り活力がでます。


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これは新旧を問わず一般的なデニムの特徴ですが、古い年代のデニムは傷みやすいので、着用する前に洗うことをお勧めしています。尚、一度洗えば頻繁に洗う必要はありません。

お客様と相談の上、本品は洗濯してから発送することにしました。古い年代のヴィンテージデニムの洗濯については、別途、詳しく記事を投稿する予定です。

ここでは、本品のディテールやコンディションについて紹介いたします。

下は洗濯後の本品の全体の写真です。洗濯後でも糊が若干残っている風合いをしています。古い年代の一部のXXデニムに見られる黒みがかった色味をしています。

Front

 

Back

ディテールの特徴

革パッチ

1955年頃以前のリーバイス501は、パッチの素材が革でした。この年代の501XXの革パッチは熱に弱く、乾燥機に入れると収縮してしまいます。戦後、乾燥機が普及したため、戦後から50年代半ば頃までのユーズドの501の場合、多くは革パッチが収縮してしまっており、取り外されているものも少なくありません。パッチが残っているものでも、収縮してしまっているものが多いです。

12hrs after 1st Obenaufs

本品の革パッチは、(ミンク)オイルが塗られていたと思われ、黒っぽくなっていました。また、表面が硬化して部分的に亀裂が入っています。洗濯後、ヴィンテージ・レザーなどに使用するコンディショナーとして評価の高いオベナウフスを塗っています。オベナウフスを塗ったことにより、さらに色が濃くなっています。その代わり、革の表面に柔軟性が戻ってきました。

赤タブ

本品は表側のみにLEVI’Sの刺繍が施されたタブが取り付けられています。裏側はブランクです。片側のみに表記があるため通称片面タブと呼ばれています。一般的に片面タブは1952年頃までの製品に使用されていたと認知されています。

第二次世界大戦後の1947年に、501XXのモデルチェンジが行われたと認識されています。通称片面タブが付いた501XXは、1947年モデル、47モデル、または47501とも呼ばれ、ヴィンテージ501の中でも特に人気の高いモデルです。

TabTab from back

長いサイドステッチ

片面タブの付いた501XXでは、アウトシームの上部、ウエストバンド下の表に入れられるサイドステッチが長いものがあります。ひとつ後の後継モデルである両面タブの革パッチ501XXでは、サイドステッチが短くなっています。サイドステッチが長いものは、さらに古い年代のステッチディテールの特徴と認知されています。

本品はサイドステッチが長い(目安としては20cm以上)です。

Side stitch

トップボタン裏の形状

古い年代の501XXのトップボタン裏は、下の写真のようにドーム状に盛り上がっていたり、ボタンを固定するためにある内側の爪の部分が隆起した形状、通称ツープロングになっているのが特長です。

トップボタン裏の刻印は、1950年代中頃から入れられるようになったと思われます。本品は、それより古い年代であるため、刻印はありません。尚、50年代半ば以降のヴィンテージ501でも無刻印のものもあります。

Front Button

フライ部の持ち出しの処理

フライ部の末端の持ち出しの部分が切りっぱなしになっているのは、大戦モデル以前の501の特徴的ディテールです。大戦後のモデルの一部のモデルでも、持ち出しが切りっぱなしのものが時折あります。本ディテールを備えているものは、大戦直後に製造されたモデルであることを示していると考えられています。

本品は持ち出し部が切りっぱなしです。

Fly endpoint

隠しリベット

上記、持ち出しが切りっぱなしのディテールのものでは、隠しリベットが大戦モデルで使用されていたドーム状、または、角が滑らかな通称”大戦リベット”が使われている場合があります。大戦リベットを使用している場合は、1947年よりも前の製品である可能性が高いです。大戦後で1947モデルよりも前の通称1946モデルと呼ばれるモデルと判定されます。

本品は通常の隠しリベットです。そのため、1947年頃の製品である可能性が高いと思われます。

Hidden Rivet

フライボタン

片面タブと初期の両面タブの革パッチ501XXのフライボタンは、表面がフラットでスッキリしたデザインであることが特長です。

Fly button

両面タブの革パッチ後期では、フライボタンの表面、文字の周りが粒状になっていて、通常Rなのが特長です。ギャラ入り紙パッチに移行後、通称”足長R”のフライボタンとなります。

リベット

リベットの表記形式も年代判定の参考となる材料です。本品のリベットは、文字が小さめで中央に寄った表記です。この表記形式のリベットは、一般的に1940年代、または1950年代の初め以前と判定する材料の一つです。

Rivet

この後の年代のリベットは文字サイズが大きく、彫りが浅い表記となります。

ベルトループ

革パッチ501の初中期のモデルは後ろ中央のベルトループが中央に取り付けられているのが特長です。通称、(ベルトループ)センターセットと呼ばれています。

また、革パッチ501XX片面タブと初期の両面タブのモデルは、ベルトループが太いのが特長的なディテールの一つです。通称、”極太ベルトループ”と呼ばれています。

Belt loop Belt loop width

この極太ベルトループの後に、通常の幅(1.2cm前後)でセンターセットのモデルがあり、少し後からベルトループが中央から少しずらされるようになります。この中央からずれたベルトループは、通称”オフセット・ベルトループ”と呼ばれています。

センターからオフセットへの移行は、1953-54年頃と推定されています。

ウォッチポケット入り口裏

古い年代の501は、ウォッチポケット入り口の裏は、セルビッジかシングルステッチです。本品はセルビッジです。

Watch pocket enterance

尚、比較的新しい年代(例えば70年代の66前期等)でも耳付きのものはあります。ウォッチポケットの入り口がセルビッジか否かは年代判定の参考にはなりませんが、一般的に古い年代の501XXの場合は、セルビッジ(耳付き)の場合が多いです。

以上がディテールの主な特徴です。以下に、本品のコンディションなどに関連する部分を紹介します。

特記すべきコンディション

古い年代のヴィンテージデニム製品の場合は、デッドストックや着用感がほとんどないものでも、何らかの不具合がある場合が通例です。

本品の場合は、右バックポケット上に小穴、左ポケット入り口の右側に擦れ、内股・インシームの一部に擦れ、ロールアップ痕があります。

ロールアップ痕

1950年代以前、特に40年代以前のジーンズはロールアップして穿くことが普通でした。そのため、濃紺のものでもロールアップ痕があるものは珍しくありません。

考え方にもよりますが、ロールアップ痕については、今からわざとつけようとしても付けられるものではなく、むしろ、本物の40年代、50年代ならではのヴィンテージであることを示す特徴的な証と言えます。

ヴィンテージは、単なるファッションとしてだけでなく、その製品が作られた時代を感じさせてくれるところも、大きな魅力の一つだと私は思います。

Roll-up line

オリジナルの裾

米国では過去も現在も裾詰めは一般的に行われていません。逆に日本では裾詰めは一般的に行われています。

ヴィンテージでも裾が長い場合は、あえて裾を詰めて着用される方もいらっしゃいます。着用が前提で将来も所有するつもりであれば、裾を詰めることも選択肢です。

ヴィンテージ品をお客様に販売する場合は、裾がオリジナルかどうかは価格設定などにも影響する要素となります。

本品はオリジナルの裾です。セルビッジ部に赤いラインが綺麗に残っています。興味深いのは、左右でアウトシームの幅がかなり異なることです。左右だけでなく、途中の幅も狭くなったり太くなったりしています。

Hem Selvedge

Selvedgeこれだけアウトシームの幅にムラがあるのも珍しいです。非常に古い年代の手作り感溢れる特徴とも言えます。

スレーキに名前が書かれている

501XXでも、スレーキ部に番号などがスタンプされていたりする場合もあります。本品の場合は、名前がマジックのようなもので手書きされています。”T. CAUGHEY”と書かれているように見受けられます。

“CAUGHEY”は、ネイティブのアイルランド人の苗字で、元はアイリッシュのGaelic語が由来とのことです。Gaelicは日本ではゲール人・語と呼ばれているようです。GaelicはScotishとIrishに分かれます。

Name on Sleek

右バックポケット上に小穴

本品は右バックポケット上に小穴があります。元はピンホールだった様に思われますが、一般的に言うピンホールより若干大きいです。

しかし、場所的にはあまり目立たない。また、目立っていても、割と許容できる場所だと思います。穴の大きさもそれほど大きくなく、比較的自然に見える不具合だと思います。考え方にもよります。

Hip area pin hole above right pocket

左バックポケット入り口に擦れ

Left pocket enterance

内股の片側のインシーム部に部分的な擦れ

このスレは着用によるものです。内股の擦れは、着用者の体型や穿き方、体の動かし方によってできる場合があります。個人的な話ですが、私はある程度着用しても内股に擦れはあまりできません。

本品の場合は、糊が残っている状態で部分的に擦れたことが原因ではないかと想像しています。

穿き方によりますが、この部分の擦れはあまり悪化しない可能性も少なくないと思います。

Crotch area Right inseam near crotch

以上、不具合箇所も若干ありますが、この年代の製品としては、非常にコンディションが良い方だと思います。

色味

さらに本品の魅力は色です。下は手元にある革パッチの501XXです。左上が本品、その右隣は片面タブ(持ち出しは折込まれています。)。下左は両面タブの初期、センターセット極太ベルトループ。下右はセンターセット通常ベルトループです。

それぞれとても個性的な色味と表情をしています。

Four 501XX Leather Patches

同年代のヴィンテージ品との組み合わせ例

本品は非常に希少な品なので、記念に近い年代のヴィンテージ品と組み合わせてみました。

  • 革パッチ 片面タブ 501XX
  • ワンウォッシュ程度のコンディションの506XX
  • 1940年代頃のペンドルトンのウールシャツ
  • 1950年代の最初期のレッドウイング アイリッシュセッター刺繍タグ
  • タイガー・クロス柄 バンダナ

with 506, Pendleton, Tiger, RW854

全てを近い年代で組み合わせる必要はありませんが、それぞれが強く主張することもなく、しっくりした感じで、お互いの良さ・魅力が感じられます。

お客様に気に入っていただけることを願いながら、本品を発送しました。現在、お客様のところに向かって、空を飛んでいる頃です。

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