ロングホーンインポート

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謎のゾウマーク、中国製バンダナについての疑問と考察

非常に面白い不思議なバンダナを紹介します。

まずは、全体の写真です。色はグレー。柄はペイズリーが基調のデザインです。色がグレーは比較的珍しいですが、柄はクラッシックでオーソドックス、特に変わり映えのしない一般的なヴィンテージバンダナの様に見えます。01

 

どこが不思議なのか?と思われる方もいらっしゃると思います。

右下にある表記のクローズアップした写真です。



Logo 02

“100% COTTON MADE IN CHINA RN13962″の表記があります。中国製です。古い年代のバンダナで中国製は非常に珍しいです。と言うか、見た記憶がありません。

ここで「このバンダナは古い年代の製品なのか?」と言う疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。まさにごもっともな質問です。それもこのバンダナの不思議さの一つなのです。具体的には後ほど、説明します。

表記でさらに注目なのは、象のマークが入っている事。そして、その隣にTMとトレードマークを示す表示があります。

象のマークのバンダナはヴィンテージ・バンダナの代表的な存在であるエレファントブランドがあります。エレファントブランドの表記にはいくつかパターンがあります。共通するのは、象のロゴマークを挟んで両側に”FAST”, ”COLOR”と入っている事です。

FAST COLORは、古い年代のバンダナによく見られる一般的な表記です。意味は、長持ちする、パーマネント、安定(定着)した”色”と言う意味です。(indelible, lasting, permanent, stable, antonyms temporary)
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今回の中国製グレーのバンダナのゾウマークとはデザインが異なります。また、RN13962と表記されている事から、製造メーカーもエレファントブランドではありません。

ここで、本バンダナについての主な疑問点として、以下のものがあります。付随してさらに細かい疑問がいろいろとあります。それらについて、順を追って、現時点での自分の見解を含めた考察を行います。

  • このバンダナはいつ頃の物か?
  • 象のロゴの様な表示があり、その右にはトレードマークを意味するTMの表記がある。象のバンダナと言うとエレファントブランドがあるが、何か関わりがあるのか?

(このバンダナの年代について)

このバンダナは、通常のバンダナの年代判定をする一般的な材料に合致しない所が散見されます。

本バンダナは耳(セルビッジ)がありません。通常、耳無しは年代が新しいバンダナの特徴です。ところが、生地やステッチの感じは、古い年代のものの様に見えます。



バンダナは布一枚のシンプルな製品ですが、生地やステッチは年代によって異なり、それぞれ特徴があります。生地やステッチで年代を判定するのは、難しいですが、年代の推定の材料にはなります。

表記も通常のものとは異なります。確実に言えるのは、RN番号があるため、1960年代以降であることが分かります。

表記、生地、ステッチ等から、本バンダナの年代についての現時点での推定は以下の様になります。

  • RN番号表記があることから、1960年代以降である。
  • 古い年代に見られるFAST COLORの表記がないことも、60年代以降の製品である事を示唆する材料である。
  • 耳無しではあるが、バンダナの生地の織り、風合いやステッチの入れ方等から、80年代以降の製品とは思えない。
  • 表記の字体等についても、60年代から70年代にかけてのバンダナの字体表記に近い。

これらを考慮して、現時点の見解としては、1970年代頃の製品と推定しています。

(追記:年代の推定を含めて、見直しを行いました。詳しくは追記をご覧下さい。先に結論を申し上げると、その後頂いたコメントの情報等から、かなり新しい年代のものであると推定しています。ディテールや総合的な状況を考慮しても90年代以降であるとの考え手にいたっていますが、さらにそれよりも新しい年代である可能性が高いです。コメントで、新品で販売しているとのお話も頂いております。販売しているサイト等の情報をご存知の方がいらっしゃいましたら、コメント等でお知らせ頂けると大変ありがたいです。)

(エレファントのTM付きロゴマークについて)

RN13962でエレファントブランドのゾウに酷似したイラストロゴ表示があるバンダナの存在が確認されています。エレファントブランドは1950年代から1960年代にかけて、バンダナの市場で圧倒的なシャアを持っていたと思われます。

1940年代以前、リーバイスのジーンズのバックポケットのアーキュエットステッチに酷似したデザインを他社がこぞって出していた様に、RN13962も酷似した象マークのロゴをバンダナに表示したりした時があったと思われます。

tag

エレファントブランドのペーパータグを見ると、”ELEPHANT”に®マークが付いています。バンダナにエレファントの名前を使う事についての商標登録と思われます。しかし、上がり鼻や下がり鼻等、象のイラストロゴが異なるバージョンがある事等から、ロゴ自体をトレードマークとして登録はしていなかった可能性があります。

そこで、RN13962(登録会社名:I. Shalom)は、一番上で紹介した写真の中の象のロゴをトレードマークとして申請、承認されたのではないかと推測しています。しかし、本ロゴマークのついているRN13962は、現時点で、手元にもある程度の数のRN13962のバンダナがあるにもかかわらず、私はこれ以外のバンダナでロゴ付きの物を見ていません。

恐らく、TM付きの象のロゴマークを付けた製品を市場に出したところ、エレファントブランドの製造会社、Davis and Catterallからクレームをつけられたのではないかと思います。

かつてサムライジーンズ(有限会社サムライ)がアーキュエットステッチに似たステッチを、”カモメステッチ”として日本において申請し、商標登録されていました。しかし、リーバイスが商標登録無効審判請求をして、サムライの商標登録が無効となった判例(ケース)があります。

このケースと同じには扱えませんが、市場で一般的に幅広く認知されている商標(例えばバンダナにおけるエレファント)をどこまでの範囲として解釈するか?また、その一方で、別の会社が象のロゴマークを商標登録として申請して認可される場合もあったと思います。(実際、認可されたのだと思います。)

また、リーバイスのアーキュエットステッチが商標登録となったのは1943年ですが、その当時まで、Leeはアーキュエットに似たステッチデザインをジーンズに採用していました。LeeのオリジナルのLazy-Sが発表され移行したのは1944年です。

1940年代終わり頃のWranglerの初期のジーンズのプロトタイプも、ラングラーのサイレントWではなくアーキュエットステッチに似たデザインでした。

ある市場において強いシェアを持っている会社、製品に似たものを競合が出す事は珍しくありません。恐らく、このエレファントのロゴもその様な類いだったのだと思います。

しかし、エレファントブランドからのクレームの様なものが入って、大々的にこの象のロゴマーク付きの製品は市場には登場しなかったのだと思います。

もう一つ現時点で考えているシナリオは、”本品はプロダクトサンプルだった”です。。

”1970年代頃に、RN13962には中国製のバンダナを製品として企画して、サンプルを作り検討したが、最終的には取りやめた。上の写真のバンダナはそのサンプルだった。”と言うシナリオも考えられます。

ヴィンテージのリーバイスの製品等でも、プロダクトサンプルと思われる物があります。バンダナでも試作品が残っていても不思議ではないと思います。

以上が、現時点での私の認識、持っている情報を元にした推測、見解です。あくまでも推測になります。将来、新たに判明した事等で、推測が変わる可能性もあります。予めご了承下さい。

バンダナはまだまだ明確になっていないことがたくさんあります。それらについて考えたり、調べたり、推測や考察したりするのも楽しみの一つです。

何か新しい事が分かりましたら、本記事に追加する予定です。

追記:2014年7月18日

本記事投稿後、以下の様なツイッターでコメント、情報を頂きました。


同じ柄、同じ象のロゴを含む表記のある色違いのバンダナの写真を貼付して下さいました。 これは非常に興味深く、貴重な情報です。@mt_shimpei さん、情報のご提供、誠にありがとうございます。

以下、頂いた情報を含めて考察を書きます。

まず、注目すべきは色です。かなりはっきりした色のピンクです。絶対ではないのですが、現時点で認識しているバンダナの色味と年代の傾向は以下の様になります。これについては、別途、将来、記事を書く予定です。

  • 40年代以前: 薄い茶色や淡いブルー、エンジ等もある。(例:ラクダ柄はこれらの色がある)
  • 50年代から60年代にかけて: 赤と紺が中心。特に赤が多い。
  • 60年代後半から70年代にかけて: 定番の赤や紺に加えて、様々な色のバンダナが登場。色としては、淡い色が多い。(あまり、はっきりした色は少ない。)
  • 70年代後半から80年代にかけて: 様々な色が登場し、バンダナの色の多様化が進む。色ははっきりした色が中心。

今回ツイートして頂いたバンダナの色は非常にはっきりした色です。色味の傾向としては、基本的に70年代後半、特に80年代以降に強く見られる傾向の色をしています。

さらに表記について、そして中国製のバンダナの市場性と年代の関わりについて、もう一度考えてみました。

表記については、80年代はCrafted with Prideを初めとして、社名やブランド名を入れる事が主流でした。さらに、一般的に考えて、80年代米国の衣料メーカーが自国製の製品の宣伝を強く推進している最中(Crafted with Pride等)に、以前からバンダナを生産、供給していたRN13962が中国製のバンダナを市場に出す事は考えづらいです。

つまり、上記の理由等から80年代の可能性は低くなります。また、似た理由、昔からのバンダナメーカー各社がMade in USA製である事を表記して、強調している時に、従来からのメーカーであるRN13962が中国製の製品を市場投入する可能性は低いと考えます。

70年代であれば、サンプル、または、限定的テスト生産の様な形、そうでないのであれば、90年代の製品の可能性があります。

70年代の製品とも考えられる生地やステッチをしていますが、中国製である事、耳がない事、他を総合すると90年代の製品である可能性も高いと思います。

90年代と仮定した場合の疑問点としては、90年代には既にエレファントブランドの会社は存在しないため、エレファントのロゴマークを付ける事についての障害はありません。そうであれば、もっと市場にこのゾウマークの製品があっても良い様に思います。

私の手元には90年代以降のバンダナはあまりないため、現時点での考察としては、以上になります。

また、新しい情報等を入手しましたら、追記致します。

 

コメントとトラックパック

  • Comments ( 4 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. By 通りすがり

    このバンダナ、新品で普通に売ってますよ。
    ビンテージじゃなくて21世紀のアメリカ市場の商品です。

    • コメントありがとうございます。私は80年代以前のバンダナは多量に手元にあるのですが、新しい年代のものは全くないので、このバンダナの年代は私にとって非常に謎でした。当初は、70年代頃にアメリカ製のバンダナがMade in USAを表記する様になった頃に、競合する中国製の製品があってこのバンダナがその様なものかとも思いましたが、追記にも書いた様に90年代以降と考え直していました。

      90年代ではなくさらに後、2000年代以降の様ですね。

      ちょっと不思議に思うのは、この象のロゴにRN13962の表記のバンダナはそれ程、見たことがありません。私はアメリカ市場で流通するバンダナはヴィンテージを中心にある程度見ていますが、の象のロゴにRN13962見た記憶がほとんどありません。

      新品で売っているとのお話だったので、ネット等で探してみたのですが、見つかりませんでした。

      もしも、販売している所の具体的な情報、または、サイト等のアドレスをご存知でしたら、教えて頂けると大変参考になります。

      よろしくお願い致します。

      • By 毛抜き合戦山田

        東京のオシュマンズ新宿店で売っているのを見ました!!

        ¥500でした。

        • 情報ありがとうございます。現在、日本でも販売中なのですね!?ネットで見たことないのが不思議です。注目度が低いのでしょうか。。。

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