ロングホーンインポート

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考察を行ったレッドウイング 紺タグのモデル名が判明!

ヴィンテージの場合、後で新たに資料や材料などが見つかって、それまで認知されてきたことと異なる見方が有力になったりすることがあります。年代の推定の条件などが変わることもあります。

今年の春、ツイッターなどで交流のあるmasa@連食さんからご依頼を頂き、紺タグのヴィンテージ・レッドウイングのブーツのモデル・年代の考察を行い、記事を投稿しました。その後、本ブーツのモデルと思われる新たな資料・材料が見つかりました。

本記事では、特徴や考察などを振り返りながら、新たに見つかった資料の内容の紹介、モデル判定について書きます。

こちらが紺タグのヴィンテージ・レッドウイングです。

ディテール上の特徴及び着目点と考察

前回の考察で特筆すべき特徴、着目点として、以下の項目をリストアップしました。

  1. 古い年代のオロラセットと思われる革を使用している。
  2. アイリッシュセッタータグでなく紺タグ。
  3. 土踏まず部に”DU-FLEX”, “CUSH-N-CREPE”のロゴ入りのトラクショントレッド・ソール。
  4. クレープソールでも、フラット(Wedgeソール)ではなく土踏まずがあり、かかとがある形状をしている。
  5. カウンターがあり、さらにそのままシャフト背部のトップまでの一体構造の革型がトリプルステッチで縫い付けられている。
  6. アイレットが12個ある。
  7. プルストラップが無い。
  8. スムーズレザーによるライニングが施されている。

モデル考察で、アイリッシュセッターの特徴であるクレープソール、オロラセットと思われる革を使用しているので、アイリッシュセッターのように見えるのですが、タグは犬タグではなく紺タグを使用していることが気になりました。

さらに、ブーツの構造・型が、つま先部からかかとまで直線状になって、ブーツの下部が一枚革で構成されるバンプではなく、シャフト上部からかかとにかけての革型も一体型になっています。

これは、877とは異なり、アイロンレンジャー(日本での名称:アイアンレンジ)に似た構造になっています。

型が877とは異なるのが、大きな疑問点でした。プルストラップもなく、スムースレザーのライニングも施されているのも通常のアイリッシュセッターとは異なります。ある企業顧客向けに特注生産したモデルの可能性もあると考えていました。正直なところ、すっきりしないところがありました。

しかし、今回、このブーツと思われるモデルが、1959年のレッドウイングのカタログの中から見つかりました!! 品番202です。

Red Wing No. 202 (1959年 レッドウイングカタログから)

Red Wing 202 in 1959 with logo

No. 202

  • アッパー: 9インチ ブラウン オイル処理されたクローム、Goodyear Pac モカシントゥ、レザーライン、ローハイド
  • インソール:インシュレーテッド
  • ソール: トラクション-トレッド・クレープ
  • ヒール: トラクション-トレッド クレープ・アンダーウェッジ
  • カウンター: ウォータープルーフレザー

型も同じ、ソールもヒールのある形状のトラクショントレッドソール、プルストラップもなく、スムースレザーのライニングもあるところも、特徴の説明と合致します。

革はオイル処理が施された茶色のクロームレザーでした。この当時、オロラセットは、アイリッシュセッターのラインの特徴だったので、その意味でも納得できます。

オイル加工されたクロームレザーだと分かって見ると、アップの写真を見ても、確かにオロラセットとは違うなと思います。(笑)

 

また、内側のサイズや品番などが刻印された箇所で、8 1/2 EEの右下の数字が”02″または”0Z”と見えたものが、”202″だったことが判明しました。

size on liner前回のモデル考察で明確でなかったことが、今回、明確になりました。ヴィンテージの考察は、いつもこの様にすっきり解決するとは限りませんが、良い勉強、経験になりました。

備考
前回の考察記事と合わせて読んでいただくと、理解が深まる・より楽しめるかもしれません。
ヴィンテージ・レッドウイング 紺タグのディテール、特徴とモデル・年代の考察

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