ヴィンテージ・リーバイス 505 タイプ物を紹介します。本品は、通称タイプ物と呼ばれるモデルです。ディテールなどから、1960年代後半に製造されたと推定しています。
1967年、それまで551ZXXとパッチにロット番号表記されていたモデルが、505-0217に表記が変更されました。このロット番号表記変更により、505は誕生しました。
本品のディテールの特徴、コンディションを紹介します。
全体写真
前から見た全体写真です。本品は、濃紺でとても魅力的な色、風合いをしています。
クリース(脚の中央に入れる縦の折り目)の跡による色落ちが膝から裾にかけて若干できています。実際に着用して見た場合は、気になるレベルではないと思います。(感じ方は人によって異なります。写真をご参照ください。)
本品はアウトシームはセルビッジです。入手時、セルビッジが閉じていたので、補正しています。現状、アウトシームのアタリ(色落ち)は、部分的に閉じた状態でできています。
後ろからの全体写真です。前面と同様に右足の膝から裾ににかけてクリースの跡と思われる縦に線状の色落ちが部分的に見られます。
右足付け根から膝の間中央付近んい横に直線状に織り傷が入っているのが見えます。この織り傷については、別途、説明します。
60年代の505は、501より股上が少し深く、テーパードがかかっているのがシルエットの特徴です。穿いた時のシルエットは、自然で綺麗なラインです。(シルエットは好みがあります。ヴィンテージジーンズのシルエットは、極端に太かったり、細いものではありません。
シルエットについても、写真をご参照ください。
アウトシームは、洗濯時に開く補正を行いました。現状は、下の写真のように上から下までアウトシームは開いています。
本品の洗濯とアウトシームの補正については、関連サイト”私のリーバイス”の以下の記事をご参照ください。
ヴィンテージ 505 タイプ物の洗濯: 洗濯実行編 / 私のリーバイス
豆知識:
本品のアウトシームは、ヴィンテージ501を象徴する仕様の一つ、セルビッジとなっています。ヴィンテージ505は501と違い、アウトシームは、必ずしもセルビッジではなく、脇割りであることも珍しくありません。
パッチ
パッチは、少し硬化していますが、良好な状態で残存しています。
ロット番号505 0217、ウエストサイズ28インチ、レングス31インチの表記が明確に読み取ることができます。ツホースマークの左馬の左側、TRADEとプリントされた文字の下に”S”のスタンプが入っています。
60年代のリーバイス・ジーンズ(501,505, 502など)のパッチに、このような英一文字がスタンプされた物は、通称タイプ物(または、タイプS)と呼ばれています。
505のタイプ物は、希少性が高いです。
豆知識:
ロット番号を示す505の右に表記される4桁の数字0217は、生地と色の種類を示します。最初の二桁の数字は、生地の種類を示します。02は、防縮加工が施された未洗いデニムです。17は、伝統的なインディゴブルーを意味します。
尚、生地番号01は、未洗い・未加工の生デニムを意味します。501の色生地番号は、0117です。
ボタン裏刻印
トップボタン裏の刻印は5です。ウエストバンド裏のステッチは、上下ともチェーンステッチです。
ジッパー
本品のジッパーは、Talon 42です。Talon 42は、70年代の505などのジップフライのジーンズで多く採用されています。
ビッグE レッドタブ
タブは、Vの文字の右が細い通称不均等Vと呼ばれるビッグEの赤タブです。タブは、奥側の取り付けが外れて表側のみで付いている状態です。
ウォッチポケット入り口裏はシングルステッチ
右前ポケットに付くウォッチポケット(通称コインポケット)の入り口裏のステッチはシングルです。ウォッチポケット裏のステッチは、60年代後半以降、チェーンステッチに変更となります。
60年代の後半のモデル、特にウエストバンド裏チェーンステッチのモデルで、シングルステッチは珍しいです。タイプ物であることと関連性がある可能性もありますが、サンプル数が非常に少ないため、はっきりしたことは分かりません。(明確に言えることは、シングルステッチが古い年代のディテールであること、70年代のモデルは基本的に全てチェーンステッチとなることです。)
上部
フロントトップ部の写真です。ヒゲがうっすらとできつつあります。穿き込んでいくとさらに明確になってくると思います。この写真は少し明るめに写っています。
実際に見た本品の生地は、色、風合いが素晴らしく、魅力的です。右太もも部のアップ写真です。生地の織り、色味、風合いの参考に少しなるのではと思い、添付しています。
後ろ上部の写真です。505のポケットは、501と比べると縦に少し長めの形状になっているのが特徴です。
右足太もも後ろに織り傷
古い年代(60年代前半以前)のヴィンテージデニムは、織り傷があるものが殆どです。年代が古くなればなるほど、織り傷が見られる傾向があります。本品は、60年代後半の製品ですが、古い年代のデニムに見られるような織り傷が、右太もも部の後ろ横に線状に入っています。
織り傷は、着用上は問題はありません。また、古い年代のデニム固有である特徴を示すものです。
クロッチ部
クロッチ部は若干スレが発生しています。一般的には、(かなり)良好な部類です。
裾部
本品の裾は、裾詰めされていないオリジナルの状態です。裾裏はチェーンステッチです。うねりのある波打った感じのチェーンステッチ特有の色落ちのアタリが明確に生成されています。
サイズ
表記サイズ: 28W-31L
実寸サイズ:
ウエスト: 約68cm
ヒップ: 約88cm
レングス: 約77.5cm
前股上: 約27.5cm
ワタリ幅: 約29.5cm
裾幅: 約17.8cm
実寸サイズは平置きによる計測です。測り方で誤差が生じます。
実寸のウエストサイズについての補足説明
本品は、洗濯後の状態です。(ヴィンテージを含む)ジーンズは、もっと着用感があるものを含めて、洗濯直後は大なり小なり縮みます。ウエスト部はほぼ確実に少し縮みます。穿くとすぐに縮んだところ(特にウエスト)は伸びて洗濯前のサイズ近くに戻ります。(最初の洗濯時は縮みの幅が大きいですが、洗濯を重ねるごとに縮みの幅は小さくなっていきます。)
ウエストは、穿くと1cm程度戻る(大きくなる)と見込んでいます。
洗濯前後のサイズの変化は、基本的に横側に関連(特にウエスト)しています。レングスは、穿いても基本的には変わりません。
本品は、505誕生初期のナチュラルなテーパードの入った綺麗なストレートシルエットです。
女性にも合うサイズだと思います。
サイズについて、ご質問のある方は、お気軽にお問い合わせください。
60年代のヴィンテージ505は、希少性が高いです。さらに本品は、タイプ表記のあるパッチ残存、アウトシーム・セルビッジ仕様です。コンディションも良好です。
サイズが合う方に、自信を持ってお勧めできる品です。ご検討、よろしくお願い致します。
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