ヴィンテージ製品には、様々な魅力と楽しみ方があります。古い年代の製品ならではの特徴的ディテールについて、調べたり、考えたりすることも(人によっては)楽しみの一つです。
今回は、Twitterで交流のあるmasa@連食さんからご所有のヴィンテージ・レッドウイングの紺タグについて、ご依頼を頂いたため、本品の特徴、見所を紹介しながら、モデルや年代などについて考察してみます。
尚、今回の考察は、現時点で判明している情報を元に行っています。後で、新たな事実、材料が判明し、その結果、今回の考察とは異なるディテールについての認識、推定年代や判定内容になる可能性もございます。あらかじめ、その旨ご了承ください。
まずは、@masa4723 さんから送っていただいたレッドウイングの全体写真を紹介します。
古い年代のヴィンテージ特有の醸し出すオーラ、とても雰囲気のある革の色味が写真からも感じられます。
ヴィンテージのレザーは光の当たり方などによっても、色味が変化して見える特徴があります。上の写真でも、色味が随分異なって見えます。
レザーシューズ・ブーツでは、スーパーヴィンテージと例えても過言ではないと思います。
オリジナル・ヴィンテージ オロラセットの色味
古い年代の革製品は、ヴィンテージデニムと同じように年代毎の色味の傾向と特徴があります。全てが同じ色味ではなく、個体差もかなりあります。
さらに、ヴィンテージの皮革製品は、使用した手入れ用品の影響もかなりあるため、一品一品の色味の差が大きくなります。
下の写真は、ロングホーンインポートの1950年代の最初期アイリッシュセッターと名前の元となった実物のアイリッシュセッターです。
上の写真の本品の革の色味と見比べてみても、古い年代のアイリッシュセッターで使用されていた最初期のOro Russet(オロラセット)の特徴的な色に近いと思います。
ソールの種類
レッドウイングは様々なモデルがあり、ソールも色々な種類が使用されています。 ソールも年代による特徴があります。
このソールのパターンは、長年レッドウイングのブーツで使用されているトラクショントレッドです。現行のレッドウイングでも使用されています。
しかし、土踏まず部に”DU-FLEX”, “CUSH-N-CREPE”のロゴが入っています。初期のクレープソールは、DU-FLEXで1970年代の後半頃にRED WINGのOEMロゴに変更となりました。
トラクション・トレッドのクレープソールは、通常、ソールがフラット(平)です。本品は、土踏まず部が窪んでおり、ヒールがある形状になっています。
フラットな形状は、Wedge ソールと呼ばれています。本品はウェッジ・ソールではありません。
本品のようにDU-FLEXのロゴがパターンと共に入れられたもの(1と2の特徴を満たすソール)で、この形状は非常に珍しいです。
1959年のレッドウイングのカタログを調べたところ、Traction-Tredのクレープソールには、ウェッジタイプとそうでないものの2種類があることが分かりました。 本品は後者に該当します。
このソールを備えたレッドウイングの残存数は非常に少ないと思います。
続く:下の②を押して続きをご覧ください。
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