リーバイスのデニム製品には伝統的に赤タブが付けられています。ジーンズにはバックポケットの右側、ジャケットには左胸ポケットに赤タブが付けられています。この赤タブとバックポケットのアーキュエットステッチは、リーバイスのジーンズである事を示す特徴的デザインです。
以下、米リーバイス社の公式ブログに掲載されている赤タブの歴史についての記事の一部を抜粋し、該訳(訳は多少変更しています。)を以下に紹介します。
赤タブが最初に使用されたのは1936年の事です。それまでのかなりの期間、リーバイスは競合の会社が同じ様にダークブルーのデニム生地にリベットを付け、ウエストバンドには革パッチ、そしてバックポケットにはアーキュエットに似たデザインのジーンズ(ウエストオーバオール)を生産している事に頭を悩ませていました。
1930年代になってもその状態は変わりませんでした。リーバイスの管理職達は、町中やロデオ大会の会場等で、常に非公開の市場調査をしていましたが、自社の製品と競合の物と離れた距離で見た時に区別がつかない問題を抱えていました。ある時、全米セールマネージャーのクリス・ルーシャーが、折ったリボンの生地をバックポケットに付けるアイディアを思いつきました。そして、リーバイスの社名を白地で縫い込んだ赤のリボンが501の右ポケットに付けられる様になりました。
この試みは非常にうまく行きました。濃い赤のタブは濃紺のデニムとのコントラストがあり、市場調査の問題もなくなりました。
1940年代から1950年代の広告には、”Look for the Red Tab”が入れられています。
赤タブは1938年にトレードマークとして登録されました。その年がジャケットで始めて使用された年です。
1960年代の初め頃から、タブの色は赤だけでなく、白、オレンジ、黒、シルバーも加わり、コーデュロイ、ふれあ、ブーツカットジーンズ、女性用衣類等、異なる衣料ラインを示すしるしとなりました。
しかし、赤が元祖です。当時の管理職は正しい色がどれなのか、そしてどこに付けるかも分かっていました。
(引用:That Tab on Your, Um, Pocket? It’s 75!, Oct 04, 2011, LS&CO. UNZIPPED)
私も赤タブの色とデニム、特に濃紺のヴィンテージのデニムとの相性は抜群のコントラストとなると思っています。取り付け場所も、ジーンズは右バックポケットの内側、ジャケットは左胸ポケットの内側はまさにそこしかないと言う絶妙な位置だと思います。
赤タブは小さいながら本当に存在感があります。そしてタブの赤が恐らくリーバイスのロゴカラーの元ともなっていると思います。
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