過去から現在までに製造されてきたほとんど全てのジーンズのポケット部の端にはリベットが取り付けられています。リベットとジーンズは非常に深い関わりがあります。
ジーンズを発明したのはリーバイス社です。1873年5月20日にリーバイス社とジェイコブ・デービスは、パンツのポケットの取り付け強化にリベットを使用する特許を取得します。特許取得後、リーバイス社は銅リベットを取り付けた”ウエストオーバーオール”(当時のジーンズの呼称)の製造を開始しました。この最初のパンツが501の原型です。当初は単に”XX”と呼ばれていました。XXはアモスケーグ社製のデニム生地の名称でもありました。
1886年に、”ツーホース・ロゴが入れられた革製のパッチが初めてウエストオーバーオールに使用されました。パッチを取り付けた目的は、パンツが非常に丈夫である事をデモンストレーションすることとリベットを使用した衣料品の元祖である事を示す事でした。
上はツーホースブランドの最初期のイラストです。ツーホースのイラストの上に”PATENT RIVETED”と記載されています。(写真のソース:LEVI STRAUSS & CO. http://levistrauss.com)
現行のパッチは簡略化されたロゴになっています。ツーホースのロゴ、馬の足下の所に”PATENTED” “MAY 20 1873″と表示されています。また、ツーホースの上に”ORIGINAL” “RIVETED”の記載があります。リベットを使用した衣料品の元祖である事を謳っています。
パッチを見ると、リーバイス社がリベットにこだわりを持っているかが良く分かると思います。1890年にリベット取り付けの特許は期限が切れ、他社がこぞってリベットを取り付けたジーンズの製造販売を開始しました。他社もリベットを使用している事を宣伝するようになりました。
上の写真は、1937年のモンゴメリーワードのカタログの中のジーンズのページです。モンゴメリーワードはWARDS 101と言う名のジーンズブランドを持っていました。写真の一番上に、”WARDS COPPER RIVETED 101″のタイトル表示があります。
この様なページのタイトルからも、リベットを使用している事がジーンズの非常に大きな特徴である事が分かるかと思います。
そして、デニムにリベットを取り付けた仕様は現代まで継承されており、現在販売されているほとんどのジーンズはリベットが取り付けられています。
一般的に、ジーンズのフロントポケットの上端の両側にリベットを取り付けられているものが多いです。しかし、リベットの取り付け位置や形状は各社、それぞれ特徴があります。
現行リーバイス 501 STF
現行リーバイス501 シュリンクトゥフィットの右フロントポケット部の写真です。リーバイスの501はフロントのポケットの両脇、ウォッチポケットの上端左右にリベットを使っています。
1970年代 Lee 200
70年代のLee 200の右ポケット部の拡大写真です。ウォッチポケットが右ポケットの開口部の中に入っています。(中央に寄っています。)ウォッチポケットのリベットは露出している右上のみです。
現行ラングラー 13MWZ
現行ラングラー13MWZの右ポケット部。ポケットの両端にリベットが付けられています。ウォッチポケットの入り口はウエストバンドのすぐ下にあり、開口部はかなり広くとられています。ウォッチポケットの取り付けにはリベットは使用していません。
現行ラングラー13MWZのバックポケット部の写真です。ステッチはサイレントW、ポケットの左右上端はリベットが取り付けられています。
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