ブログ”私のリーバイス”にリーバイス社のヒストリアンLynn Downeyさんが書いた”デニムの歴史”を訳して記事にしました。
その中で出てくるエピソード、1951年に起きた歌手のビング・クロスビーがハンティングの旅の途中でホテルにチェックインしようとしたところ、ジーンズを穿いていたためホテルの受付からチェックイン拒否されそうになった話の後話を紹介します。
Bing Crosbyは歌手兼俳優で20世紀に最も数多くレコードを販売したアーティストの一人です。
第2次世界大戦中最中の1942年に発表した”White Christmas”はあまりにも有名です。そして1944年の映画”Going My Way”の演技でその年のアカデミー賞を受賞。それ以外にも数えきれない程の数々の賞を受賞している超有名人です。
1951年、クロスビーは友人とカナダへハンティングの旅に出かけました。途中のバンクーバーのホテルでチェックインをしようとしたところ、彼がリーバイスのジーンズを穿いていたため、ホテルにふさわしくない客と見なされて、フロントから宿泊拒否をされそうになりました。ベルマンがクロスビーである事に気づいて、結果的には無事に宿泊できたと言う逸話です。
クロスビーは旅から帰ってきて、その話を近所の人に話した所、その話を聞いた人がリーバイス社にその件を伝えました。リーバイス社は直ちにクロスビーのために特別にデニムでできたタキシードを作り、贈呈しました。
タキシードの贈呈は、クロスビーが所有する牧場のある街、ネバダ州のエルコで行われたSilver State Stampede rodeの大会で行われました。
贈呈式の写真です。クロスビーは501XXがお気に入りだった様です。デニム・ジャケットも良く着ていたそうです。カナダのホテルにチェックインしようとした時、デニムジャケットも着ていた様です。
1951年の事なので、そうなるとジャケットは506XXだったと思われます。
タキシードを着て壇上でスピーチをするクロスビーさん。
ここで注目は、彼の立っている舞台の縁にぶら下がっているフラッシャーとギャランティーチケット付きのジーンズ。1951年の事なので、501XXの革パッチ、片面タブです。日本で47年モデルとして有名なやつだと思います!
足元に飾られている501のパッチがやけに大きく見えます。展示用の特別なものかもしれません。または、一番右以外は小さいサイズなのかもしれません。いづれにせよ、今は超高額で取引される501XX革パッチ、片面タブのデッドストックが何気なく並んでぶら下がっているのが印象的です。
リーバイス特製デニムタキシードを羽織り、パイプをくわえながら、笑顔で歩くクロスビーさん。ジーンズにウエスタンブーツのいでたちです。ジーンズは当然、501XXだと思います。
クロスビーさんは、彼が出演する次の映画”Here Comes the Groom”の多くの記者会見でこのタキシードを着て登場したそうです。
とここまでは、面白いエピソードだな程度の感じで私はいたのですが、このタキシードのラベルに書かれている内容がさらにふるっていることに気がつきました。
(訳)
LEVI”S TUXEDO (リーバイス・タキシード)
注意・警告:世界中のホテル関係者へ
このラベルは本タキシードの着用者がいかなる時、どんな状態であっても、心のこもった手厚いもてなしを受ける権利があることをここに証明するものである。
ビング・クロスビー
(さんに贈呈)
Elko Blue-Serge Day, Silver State Stampede, June 30, 1951
アメリカホテル協会(連合会)の(オブライエンさんの)署名
(訳終わり)
ホテル協会の人のサイン入りのラベルと言うのがとても面白いと思います。この手の逸話、エピソードはアメリカではいろいろありますが、この様なユーモア(半分マジ)な感じの遊び心があるものは、古き良きアメリカを感じさせてくれます。
革パッチ、片面タブの501XX関連であることもとても興味深い所です。
この記事は、”One Trip Pass“と言うブログの記事から写真と一部内容を参考にしております。
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