推定年代1950年代半ばのヴィンテージ Lee 101-Jが入荷しました。本品は特別取り寄せ品です。
生地の色は濃紺です。写真は実際に見た感じより、少し明るめに写っています。50年代の古いデニム特有の風合いと色味をしています。
フラッシュを使用せずに撮影した写真です。ちょっとブレてしまっています。すみません。生地の色落ち具合や風合いを把握するのにはこちらの写真の方が向いていると思います。実際の色味とは若干異なります。
ヴィンテージ Leeのデニムジャケットは、仕様やシルエットは数十年間大きく変わっていません。年代の判定をする上で、タグ表記が主な判断材料となります。
タグに101-Jのロット番号が表記される様になったのは、1953年頃のことです。ロット表記付きの最初期は、本写真の様にロット番号が赤の刺繍で表記されていました。このタグは1953年頃から1956年の間の製品に使用されました。
本品はサイズ44のレギュラーレングスです。
1956年からのタグは、ロット番号(101-J)、サイズ、レングス(レギュラー or ロング)の部分の表記が金色に変更になります。
左胸ポケットのフラップ部に付けられているピスネームタグの表記は”Lee”のみです。
右胸ポケット内側には、ユニオンチケットが縫い付けられています。チケットの表記はほとんど見えなくなってしまっています。
ボタン裏の刻印はありません。プロング(爪)で取り付けたことによる出っ張りがあります。この様なボタン裏の爪の出っ張りが見られるのは古い年代(50年代前半以前)の製品の特徴の一つです。
ウエストバンド上の両脇にアジャスターベルトが取り付けられています。アジャスターを留めるボタンは、黒い色のプラスチック製の通称ネコ目ボタンです。ネコ目ボタンは、このタグの製品から採用になりました。それまでは、二つ穴の普通の形状のプラスチック・ボタンでした。
アジャスターベルトのボタンが馬の鞍や家具等を傷つけない様に、プラスチックの素材を使用しているのがLeeのデニムジャケットの特徴の一つです。
前合わせ部、ウエストバンド付近の内側の写真です。前合わせの処理がリーバイスのジャケットとは、随分異なります。ウエストバンド裏上部は2本の平行したチェーンステッチ、下部はシングルステッチです。
腕の下側のコンディションも良好です。
袖先の状態も非常に良いです。
全体的に濃紺でコンディションも良好です。襟の部分は少し局所的に色落ちが進行しています。
襟の部分の色落ち箇所のアップです。
本ジャケットの様に濃紺でコンディションも良好ながら、襟だけ色落ちが進行しているジャケットを時折みます。これは、Tシャツ等の上に直接着て肌が襟に接触した状態で汗等が付着した状態のままで放置すると、この様に部分的に色落ちが進行してしまうためです。
入手後、洗濯し、襟付きのインナーを着て肌を接触しない様に気をつけていれば、色落ちの進行を抑える事ができます。着用すれば、それ程目立ちません。
背中の切り替え、ヨーク部中央やや左の少し下に1cm弱程度の生地の糸が吊った様な箇所があります。古い年代のデニムでは、この様な糸が吊ったりしている箇所はめずらしくありません。むしろ、ほとんどのデニムに大なり小なり見られます。
表側から見ると、ほとんど目立ちません。
尚、デニム生地で表から見て左斜め上から右斜め下に生地の織り目が見えるものを、「左綾(デニム)」と呼びます。Leeのデニムは左綾です。左綾は縦落ちが目立つことで有名です。
後ろ側の全体写真です。Leeのデニムジャケットは、幅が広くウエストバンドが広く撮られているため、腰掛けた時に上に向かって織り皺ができずにフィットするシルエットとなっているのが特徴です。実際に着てみると、このジャケットのシルエットは、完成度、実用度が非常に高い事が分かります。
Leeのデニムジャケットは、リーバイスとは異なる魅力を持っています。
特に古い年代のLeeのデニム生地は、年代によって異なる風合い、色味があります。それぞれがとても特徴的で魅力的です。本ジャケットの生地は柔らかめで少しライトな感じです。
表記サイズ: 44
実寸サイズ:
身幅: 約60cm (脇の下間の直線距離)
肩幅: 約51cm (袖取り付け部左右上部の間の直線距離)
着丈: 約56cm (背中中央部、襟下から裾までの長さ)
袖丈: 約49.5cm (脇の下から袖先下までの長さ)
注)上記実寸は平置きで測定した物です。測定の仕方等で誤差が生じる場合がございます。あくまでも目安としてお考え下さい。
コメントを残す