リーバイス501が誕生したのは1890年です。リーバイス501は衣料品として類希な超寿命を誇る製品です。リーバイス社は昨年の決算年度で48億ドルの売り上げを誇る衣料品メーカーです。リーバイスの成長を支え、今もリーバイスの事業の根幹として存在する主力製品が501です。501は誕生時から現在に至るまで、年代によっては若干の変更がされてきましたが、以下の伝統的なデザインコンセプト、デザインディテールを継承しています。
501の主な特徴とディテール
– シルエットはストレート
– 5ポケット
– フロントポケット部の取り付け強化にリベット、バックポケットはバータック
– バックポケットにアーキュエットステッチ
– 右バックポケット脇に赤タブ
– ボタンフライ
– 生デニム
リーバイスがデニム地のパンツに取り付け強化にリベットを使用することを発案し特許を申請、1873年に特許取得後、直ちにリベット付きのデニムパンツを売り出したのがジーンズの始まりです。特許満了後、各社はこぞってポケット部にリベットを使用し、ジーンズの標準的なデザインとして確立され、そのデザインは今でもジーンズの標準仕様となりました。
バックポケットに入る弓状のステッチ、アーキュエットステッチもリーバイスである事が一見して分かるディテールです。このアーキュエットステッチが取り付けられたのも1873年からです。つまりアーキュエットステッチはジーンズ誕生時からのディテールとなります。アーキュエットステッチはリーバイスのジーンズの顔とも言えるディテールですが、商標登録されたのは誕生から遥か後70年後の1943年です。
1886年にツーホースマークのレザーパッチが右ウエストバンドに取り付けられました。1950年代半ばに素材が紙製に変更を経て、現代に至るまでずっとウエストバンドにパッチが付いています。1902年に501のバックポケットが従来の一つから二つになり、5ポケットのスタイルが生まれました。そして、5ポケットはジーンズの標準的仕様となりました。
この様にジーンズの標準的デザインや仕様はリーバイスの501が原型となっています。他の会社のジーンズも同様のデザインやディテールを備える様になった事から、リーバイスのジーンズである事を示すため1936年からポケット部に赤タブが取り付けられました。インディゴブルーに赤のタブが付く事で、デザイン的なアクセントとしても大変優れたディテールです。また、当初赤タブに表示された社名に大文字のEが使われ、1971年以降は小文字に変更になった事から、BIG-Eが表示された赤タブが使われている事がヴィンテージリーバイスであることを示す特徴の一つとなっています。
他の多くのジーンズがジップフライを採用しているのに対して、501はボタンフライであることは501のデザイン上の大きな特徴です。ボタンフライはデザイン上の特徴であるだけでなく、もう一つ501が他の多くのジーンズと異なる特徴を備えるために必要な機能となっています。501のもう一つの大きな特徴は未加工の生デニムを使用し、シュリンクトゥフィットを実現している事です。シュリンクトゥフィットは、501誕生以来の伝統的な特徴です。
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