ヴィンテージ・リーバイスのジージャン 71205 ビッグEを紹介します。
リーバイスのヴィンテージデニムジャケットは、サードモデル(557系)から胸囲は同じで着丈と袖丈が長いロングバージョン(558系)が追加されています。(横幅は変わらず、縦側に長いバージョン)フォースモデルの70505のロングレングスバージョンが71205になります。
ヴィンテージのデニムジャケットは現在のトレンド、一般的な基準から考えると着丈は総じて短めです。70505はヴィンテージジージャンの中では着丈は長めの方ですが、そのロングバージョンの71205はさらに少し長くなっているため、一般的基準で見ても、コーディネートし易く違和感の無いきれいなシルエットをしているのが特徴です。
71205は70505に比べて数が非常に少なく、希少性も高いです。
上の写真は少し暗めで、色も濃く写っています。下の写真はフラッシュを使用せずに撮影した写真です。
かなり明るめに写っています。実際に見るとこのような色味ではないのですが、こちらの写真の方が色落ち箇所や生地の風合いの把握には適していると思います。
こちらはフロント上部のアップの写真です。生地の雰囲気、色落ちの感じはこちらの写真も掴み易いかと思います。
ヴィンテージのデニム製品は年代によって生地の色味、風合い、色落ちの傾向等が異なります。フォースモデルのデニムはジーンズの66と同様にきれいな縦落ちをすることで定評があります。
パッチは右上部端が少し欠けていますが、残存しています。ロット番号”71205-0217″とサイズ表記”40″が読み取れます。
71205がロット番号、その後の0217は防縮加工デニムのインディゴカラーを意味します。
パッチの下に取り扱い説明が記載された小さい白い布タグが縫い付けられています。この取り扱い説明タグが付けられる様になったのは1970年頃です。このディテールから本ジャケットは501の66Eと同年代の製品であると推定できます。
タブはビッグE、Vの右側が細い通称”不均等V”の赤タブです。
ジャケットの内側の写真です。生地とステッチの状態は良好です。特に気になる不具合箇所、汚れは見当たりません。
ウエストバンドの右側の拡大写真です。ウエストバンド裏側のステッチは上下チェーンステッチです。このディテールは1950年代中頃から共通のステッチディテールです。
ウエストバンドのチェーンステッチは、ある程度着用すると部分的に消失し易いです。そのためどの程度着用されていたかの目安の材料となります。尚、この部分のステッチは消失しても着用には問題がありません。
ウエストバンド付近の右側です。部分的にステッチが消失しています。着用上は問題ありません。
本ジャケットのボタン裏の刻印は524です。
袖先の拡大写真です。ウエストバンド裏と同様に袖先の裏のチェーンステッチも着用していると消失し易い箇所です。ここも着用感の目安の材料となる箇所です。
本ジャケットの袖先裏のチェーンステッチは写真の様に消失している箇所があります。袖先のステッチは消失していても着用上は問題ありません。
袖先の生地の状態は比較的良好な方だと思います。
右の袖のボタン付近に少し汚れのシミがあります。
このシミはカフス(のボタン)を留めると下側にくるのでほとんど目立ちません。
左右の腕の部分の写真です。生地の状態、色味も良い感じです。縦に筋状に色落ちの傾向が見られます。
左腕(写真向かって上側の腕)の肘付近に少し白くなっているスポットがあります。
白くなっている箇所を拡大した写真です。約1.5cm程度の長さの白っぽい筋があります。
さらに拡大した写真です。生地に穴が空いているのではなく、白い糸が目立つ様な感じになっています。
後ろ側の全体写真です。生地の色味、雰囲気もすごく良い感じです。こちらも少し暗めで濃いめに写っているので、明るめに写っている写真を以下に添付します。
生地の雰囲気、色落ち気味の傾向はこちらの写真の方が把握し易いと思います。
背中中央左側から脇に向けて横に一本白い線が見えます。
こちらがその拡大写真です。古い年代(特に60年代前半以前)のデニム生地では、この様なスポットや生地の一部に糸の引きつりがある箇所がある場合が多いです。
さらに拡大した写真です。通常下側(裏側)にくる白い横糸が表側に出てしまっている様に見受けられます。生地自体は問題ないと思います。
本箇所を裏側から撮影した写真です。裏側からは特に目立つ様な問題は見受けられません。
背中右側に縦に入る生地の切り替え部(ヨーク部)付近の写真です。ステッチに従ってパッカリングのアタリが形成されてきています。生地の色はまだ比較的濃いですが縦落ちの兆候が既に見られます。
フロント側もバックと同様にヨークのステッチ部のパッカリングのアタリが濃いめの生地の色味とのコントラストとして目立ってきています。
71205はフロントポケット部からウエストバンドにかけてのV字の切り替えの終端部分が557の様に閉じ気味になっているのも外観上の特徴です。
総合的にみるとコンディションは比較的良好であると思います。ステッチの状態も良好です。色はまだ濃く、これから本格的に色落ちが始まるところです。
魅力溢れるヴィンテージデニム特有の色味、風合い、色落ちを持ちながら、現代的な洗練されたシルエットを備えています。本品は、ヴィンテージ初心者の方からコレクターの方のどちらにもお勧めできる逸品です。
表記サイズ: 40
実寸サイズ:
身幅: 約50cm (脇の下間の直線距離)
肩幅: 約44.5cm (袖取り付け部左右上部の間の直線距離)
着丈: 約60cm (背中中央部、襟下から裾までの長さ)
袖丈: 約52.5cm (脇の下から袖先下までの長さ)
注)71205は70505に比べて縦方向に長いため、スリムに見えるシルエットになっています。尚、袖丈も長くなっています。ロングホーンインポートWebストアに掲載されている70505のサイズ40等と見比べて頂くと違いがお分かり頂けるかと思います。
ブログ”私のリーバイス”で70505と71205のサイズ比較の記事を過去に投稿しております。ご興味のある方はご覧になってみて下さい。比較に使用している71205は今回の記事で紹介している品です。
上記実寸は平置きで測定した物です。測定の仕方等で誤差が生じる場合がございます。あくまでも目安としてお考え下さい。
本品のWebストアのページ:
現在、Webストアにはもう一つ71205のサイズ40がございます。こちらはツーウォッシュ程度、糊の残る生地感の濃紺です。着用感は殆どありません。
以下、もう一つの71205のアルバムです。写真をクリックすると拡大し、次の写真へスワイプ、または矢印キー等で異動して連続してみることができます。
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