1950年、レッドウイングは、一番最初のアイリッシュセッターを発表しました。最初のアイリッシュセッターのスタイル番号は854です。

下は、1951年のレッドウイングのカタログの中の854の説明部です。
以下、見出しにご注目!
スタイル No. 854
The “Irish Setter” Most Dealers Tell Us This is their Best Selling Boot
The “アイリッシュセッター” ほとんどのディーラーが最も売れているブーツと語っています
発売開始後1年で、854、アイリッシュセッターはベストセラーとなったようです。
1950年代初めごろのレッドウイングのカタログや資料には、ロゴはありませんが、854のタイトルに”The Irish Setter”と表記されています。アイリッシュセッターの名前は登場時から使われていたと思われます。
レッドウイングによると、アイリッシュセッターのロゴが作成されたのは、1953年とのことです。
特徴として、9インチのオイルタンド・ラセットレッド・オロ・レザー(を使用)とあります。今はオロラセットの名前で定着していますが、最初の頃はラセットレッドのオイルタンドレザーのようにオロがつかない表記もあります。
ラセットは赤みがかった茶色の意味です。ラセットレッドと呼ぶのは赤みが強い特有の色だったからと思われます。カリフォルニアのレッドウッドの巨木から抽出した樹液を使用してこの色味を生成していました。
オロは、接頭語で山に関連することを意味します。
このラセットレッドの特有の色は猟犬のアイリッシュセッターの毛の色ににていることから、アイリッシュセッターと名付けられたとのことです。
下の写真は猟犬のアイリッシュセッターです。毛が部分的に紫色っぽいところや明るい茶色のところがあります。光の当たり方で毛色が変わって見えます。
こちらは、1950年代のレッドウイングのアイリッシュセッターです。このブーツも光の当たり方で、色が変わって見えます。そんなところまで、犬のアイリッシュセッターと似ているところが印象的です。
別のアイリッシュセッターもご参考までに紹介します。上の犬の毛色とは少し異なった明るめの茶色に見えます。

こちらは、ロングホーンインポートで販売済みの1950年代のアイリッシュセッターです。
犬のアイリッシュセッターの写真を見て、アイリッシュセッターと名付けた理由がとても良く納得できました。
この特徴的なオロラセットの革の色は、当時のハンター達もとても魅力を感じたのではないかと思います。アイリッシュセッターが猟犬であることも含め、これ以上ない位、良くマッチしたネーミングだと思います。
オロラセット・レザーはレッドウイング・アイリッシュセッターの原点です。
古い年代のレッドウイングは、同じ年代でも色味が大なり小なり異なります。オロラセットは特にそうです。年代によっても、色の特徴・傾向があります。
ヴィンテージのレッドウイングは、色も大きな魅力の一つです。
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