ヴィンテージLeeのカバーオール 91-Jのハウスマークタグを紹介します。
20世紀の初めから1960年代までの長い期間、Leeはワークウェアで非常に強いシェアを持っていました。Leeのカバーオール91-Jは1928年頃に市場に登場したと言われています。最初期のモデルはチンストラップ、右胸ポケットにフラップが付いています。
ジェルトデニムにホワイトのステッチ、取り付け強化部はトリプルステッチと言うのがディテール上の特徴です。基本的なデザインは変わらずに非常に長期間生産される程、完成度の高いデザインです。
本カバーオールははタグのデザインから年代としては1930年代の後半から1940年代の前半頃のものと思われます。カバーオールは鉄道に努める従業員のユニホームとしても使用された事から、アメリカではレイルロード・ジャケットとも呼ばれています。
このカバーオールは、鉄道会社に長年勤めていたご主人を持つ93才の夫人宅で見つかりました。着用されずに長期間放置されていたため塵等がついていたため本ジャケットを発見し入手した人が手洗ったワンウォッシュの状態です。
タグはハウスマークでeが少し左に傾いた斜体の表記が特徴です。このタグのデザインから1930年代の後半から1940年代の前半のモデルと推定されます。
この期間に第2次世界大戦が起きたためこのタグのデザインは大戦モデルのものでもあります。大戦モデルの場合、通常はSimplified(簡略版)を示す”S”のスタンプがされています。
濃紺のジェルトデニムにホワイトのステッチがアクセントになっています。フラッシュ未使用での写真です。
色味の比較に濃紺のリーバイス557XXギャラ入りと一緒に写真を撮ってみました。ギャラ入りの方が少し明るめに見えてしまっていますが、これはフラッシュ未使用の場合、少しでも色落ちしている箇所があるとその部分が目立つためであると思います。
これはフラッシュを使用した写真です。かなり暗く写っていますが、ギャラ入り557XXの実際の色味はこれに近いです。
未使用と思われる状態でのワンウォッシュなので、コンディションは非常に良いです。デッドストックでも保管時にダメージを受ける場合があるので、これはまさに文字通り極上コンディションと言えます。
左胸ポケットは懐中時計を入れられる様に縦にスリットが入っています。ポケットの上端の角はバータックによる取り付けの補強がされています。ボタンはロングLのスナップボタンです。
右胸ポケットです。
ユニオンチケットです。
右脇下部に生地がつった様な箇所があります。古い年代のヴィンテージのデニムでは比較的一般的に見られるものです。
右背中肩近くに糸がかたまった様なかたちで小さな玉の様になっているところがあります。この写真では分かりづらいと思いますので、次の写真をご覧下さい。
光を入れ気味にして撮った写真です。実際よりかなり明るい青に写っています左肩トリプルステッチの左に小さく濃い点状のものがありますが、それが上記糸玉の様な箇所です。
ヴィンテージのデニムでは多少は織り等の関係でこの様な箇所が散見されます。ほとんど目立ちませんが、ご参考までに紹介します。
内側の生地、ステッチとも状態は良好です。
後ろ側の全体の写真です。この写真はフラッシュを使用しています。
フラッシュ不使用の写真です。実施に見た感じは周辺の明るさによりますが、上とこちらの写真の間くらいです。
前列2着は、1930年代後半から40年代前半の91-Jです。後列は右が60年代前半(RのみMRなし)、左が60年代後半から70年代初め頃の91-Jです。
後列の物は左胸にLeeのピスマークがつきます。
Leeの91-Jはデザインはほとんど変わりませんが、年代ごとに使用している生地の風合いがかなり異なります。同じ濃紺の状態でも色味や感じが異なります。
コメントを残す