101-Jは第二次世界大戦終戦後の翌年、1946年に市場に登場しました。それまでのCowboyと刻印されたドーナツボタンに代わってLee Ridersのボタンとなり、胸ポケットが両胸の2ポケット、ポケット部から下へのプリーツ等のディテールを備えたデニムジャケットで、品番は101-Jとなりました。101-Jはそれ以降70年以上経た現在に至るまで同様のデザインと言う、驚異的な程の完成度の非常に高いデザインです。
今回、紹介するのは101-Jの最初期の通称初期赤タグのモデルです。以下、写真と補足説明になります。写真はクリックすると拡大されます。
黒地の布に赤い枠で中に、”UNION MADE”, “Lee”, “Sanforized”のみのシンプルな表記タグです。タグの下に白いサイズ表記タグがつきます。
本品の表記サイズは42です。(下に実寸を記載しておりますが、実質、40位です。)
フロント全体部です。それなりに着用感が感じられ、色落ちも進行しています。Leeらしい明確な縦落ちの色落ちをしています。101-Jはデザインは基本的に変わりませんが、年代、モデルによって使用しているデニムの雰囲気が異なります。
本品は古い年代特有のとても雰囲気のある色味と生地感です。上の写真はフラッシュを使用して撮影しています。実際に見た感じの色味とはちょっと異なります。
下はフラッシュ未使用の写真です。こちらの方が実際の色味に近いです。実物はもっと惹きつけられる古いデニム特有の魅力があります。しかし、印象、感じ方は人によって異なります。あくまでも私の個人的な意見です。
角度を変えて撮った写真です。フラッシュを使用しています。色は少し濃いめに写っていますが、生地の雰囲気はこちらの方が感じられる気がします。縦落ちが目立ついかにもLeeらしいデニムの色落ちの傾向が見られます。
ポケットはフラップが付き、2本のプリーツが平行に下に行くLeeのジャケットの原点とも言える完成されたデザインです。ステッチは黄色の綿糸、色落ちしたデニムとの相性も良く、とても良い雰囲気があります。
ピスネームタグは、Leeのみで、®やMRは付きません。このモデルからボタンは、Lee CowboysからRidersに代わり、以後のモデルはRidersとなります。
ジャケットの内側もきれいです。特に目立った汚れやステッチ等の不具合は見当たりません。
袖下の状態も生地、ステッチ共、全般的に良好です。
袖先の状態も使用感を考えるとそれ程擦れ等はなく、良好な方だと思います。少し生地が汚れて変色しています。これから洗濯するので、洗濯後、写真を追加する予定です。左袖カフス・剣ボロ付け根付近に小穴があります。
該当箇所の拡大部分です。
後ろの全体写真です。全体的にとても良くまとまったスタイリッシュなデザインだと思います。
上の写真の左脇のステッチ部分で白くなっている箇所の拡大写真です。外側のステッチが一部外れて生地が少し飛び出し気味になっています。現状は外れたり、浮いたりはしていません。個人的には緊急度はそれ程高くなく、当面の着用には問題がなさそうです。しかし、長期的には補修を検討する必要があるかもしれません。これは人それぞれの考え方、判断によるところだと思います。
上の背中全体写真で、背中中央付近からやや右に少し白っぽい直線がある箇所の拡大写真です。これは、生地の織り傷のようなもので、古い年代のデニムでは比較的良く見られるものです。
ボタン裏は突起があるタイプです。40年代のリーバイスの501XXや506XX等でも似たボタン裏の形状をしているものがあります。40年代頃の特徴とも言えます。
ウエスト・アジャスターベルトとボタンです。Leeのこの当時の主要ターゲット顧客はカウボーイ達で、鞍に傷をつけない様にアジャスターボタンはプラスチック製を使用しています。
ここで注目は、101-Jのアジャスターボタンはネコ目であることが有名ですが、50年代以前の古い年代のモデルはネコ目ではなく通常のボタンを使用している事です。
右側のウエスト・アジャスターベルトとボタンです。ボタンは両サイドとも欠損はなく4つ完備しています。これらの写真からアジャスターベルト、ウエストバンド付近のコンディションもある程度雰囲気が掴めるかと思います。
着方によっては裾部にかなり擦れが目立つ場合もありますが、本ジャケットの裾部はかなり良好なコンディションです。
以上、年代を考慮すると比較的良好なコンディションだと思います。Leeの初期赤タグはほとんど市場でも見かけません。とても希少性がたかいものです。
表記サイズ:42
実寸:
胸囲: 約114cm (脇の下間の直線距離57cm x 2)
肩幅: 約48cm (後ろ側から袖接続上部両側間の直線距離)
袖丈: 約46cm
着丈: 約55cm
着用した感じは42より40に近い感じです。
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