80年代以降のレッドウィング製品の多くは、シャフトの外側上部やタンの表側に、製造年やスタイル番号が刻印(印字)されていることは、比較的良く知られています。
70年代以前のアイリッシュセッターを含むヴィンテージレッドウィングは、シャフトの内側に製造年とスタイル番号の刻印があります。尚、70年代(特に後半)の製品では、外側に(も)製造年月が刻印されているものもあります。
古い年代のアイリッシュセッターは、刻印が読み取れないものの方が多いですが、あまり着用感のないもの、内側にスムースレザーのライニングがあるものは、読み取れる場合もあります。
製造年とモデル番号の判定の実例を紹介します。尚、表記方法はいろいろある可能性があります。ここで紹介する例に全てが該当するとは限らないことを予めお断りいたします。
左上に91/2Dの表示があります。これはサイズを示します。9 1/2 Dサイズです。
その下2行目の左に79Gと表記されています。2行目の左二桁は、製造年を示します。79年製になります。
2行目の右側に、2198の表示があります。これは、スタイル番号(モデル番号)を示します。
この品、アイリッシュセッター2198は、未使用で保管されているデッドストックです。箱の側面、アイリッシュセッターのロゴの下左にモデル番号を示す2198と右にサイズを表す9 1/2 Dが印刷されています。
上のブーツ内部の刻印と箱の表記内容が一致することが確認できます。
下はサイズ8D、製造年は74年と判定できます。
こちらは、Twitterのレッドウィング愛好家@nahackyi9さんのツートーンの888の内側の刻印表記の写真です。
サイズ10B、68年製、モデル番号888が読み取れます。
タグやディテール、モデルの推定年代から、総合的に判断して、内側の刻印の2行目左の二桁の数字が製造年を示していると推測していました。そのことを確認できた事例を以下に紹介します。
サイズは、9 1/2 A、製造年は69年と判定できます。モデル番号は、読み取りづらくなっています。
このブーツは、箱入りの状態で入手しました。そして、箱の中に伝票も入っていました。下は、伝票記入日の箇所の拡大写真です。
少し読み取りづらいかもしれませんが、1969年9月19日と記入されています。上のブーツ内の刻印と合致します。(製造した年に売れるとは限りませんが、これは売れています。人気製品であったためかもしれません。(笑))
サンプル数が多くなり、さらに今回のように伝票の発行年とも整合性が取れると、ブーツ内の刻印2行目左側の二桁の数字が製造年を示すことの確度・信頼度は非常に高くなります。
ヴィンテージの年代判定は、今回のようにうまくいくとは限りませんが、様々な材料を集めて、データを蓄積していくことで、判定の確度を高めていくことができます。
レッドウィングについては、まだまだ分からないことが多いので、引き続き勉強していきたいと思っています。
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