ヴィンテージ リーバイスとヴィンテージ レッドウィング
ヴィンテージは明確に定義があるわけではなく、人によって解釈も異なる場合があります。しかし、ある程度普及し認知されているヴィンテージ品の年代定義は、大まかなところで、70年代以前をヴィンテージ、80年代から90年代をオールドと呼ぶ場合が多いです。
一般にヴィンテージリーバイスと呼ばれるものは、1970年代のモデル通称66以前、または、1980年代の赤耳までとなる場合が多いです。
ロングホーンインポートでは、90年代以前のレッドウイング製品をヴィンテージとしています。
これはあくまでも個人的な感覚、解釈なのですが、レッドウイングの年代から20年差し引いた年代のリーバイスに相関するところが結構あると思っています。以下に例を紹介します。
レッドウィングとリーバイスの魅力と特徴の相当例
一般的にヴィンテージと呼ばれる衣料品は、古い年代特有のディテールを備えているのが特徴です。
アイリッシュセッターの四角ステッチと501の隠しリベット
古い年代のアイリッシュセッター877や875には、四角ステッチ(英語では、レクタングルバータック)が入るのがディテールの特徴です。

四角ステッチは、1950年に誕生した最初期のアイリッシュセッターから1985年までのアイリッシュセッター伝統定番モデルに入るディテールです。
ヴィンテージリーバイス501XXと他主力モデルには、隠しリベットと呼ばれるディテールが備えられているのが特徴です。隠しリベットは、ヴィンテージリーバイスを代表する501XXの特徴的ディテールでもあります。
参照記事:ロングホーンインポート
隠しリベットとは?
隠しリベットの年代は、1936年から1960年代の半ば頃までです。アイリッシュセッターの四角ステッチは、50年代から80年代の半ばです。アイリッシュセッターの四角ステッチと501の隠しリベットの年代は、ほぼ20年後者が古いことになります。
ヴィンテージの色味と醸し出すオーラ
また、60年代以前の古い年代のデニム製品には、特有の色味とオーラが感じられます。さらに古い年代になるとその傾向は強まります。50年代以前のデニムからは、かなり強い特有のオーラを感じます。
オーラについては感覚的なものなので、はっきり明確に申し上げられるものではなく、また、感じ方は人によって異なります。しかし、ヴィンテージデニムの愛好家の多くは、大なり小なり、”オーラ”を感じることについてお分かりいただけるかと思っています。ヴィンテージデニムの色も、言葉で表現したり、写真でお伝えするのが難しいのですが、特有の色味があり、とても魅力的です。ヴィンテージの色味とオーラに魅力を感じている愛好家の方は少なくないと思います。
革は個体差、さらにユーズドの場合は、コンディションや手入れ方法による差が大きくなります。
比較的コンディションの良い80年代のレッドウイングのアイリッシュセッターの革の色味は、深みがあって味わい深い色をしています。
感覚的には、80年代のアイリッシュセッターの色味や醸し出すオーラは、60年代頃のヴィンテージリーバイスのデニムと同程度に思っています。
下の写真は、40年代後半から50年代の初め頃のヴィンテージ・リーバイスのデニムの組み合わせに、80年代のレッドウイング・アイリッシュセッター866を一緒に撮影した写真です。

この866は使用感もあって、それほどピカピカではないのですが、ヴィンテージのデニムと一緒に撮ると、不思議なほど、とても生き生きとして写ります。
この866は80年代ですが、古い年代のデニムの色味や醸し出すオーラの魅力・迫力に負けていないと思います。
尚、この866は、Red Wing Lifeのツイッターアカウントなどのプロフィール画像でも使用しているものと同じです。革は、室内と屋外、光の当たり方などで、色味、表情が変わります。

コンディションの良いヴィンテージのアイリッシュセッターは、年代が古くなればなるほど、オーラや色味、風合いは魅力的になる傾向があります。
ヴィンテージ アイリッシュセッターと501のモデル相当例
ヴィンテージ レッドウイングアイリッシュセッターとリーバイス501の相当例をまとめてみます。
90年代の半円タグのアイリッシュセッターと501/505 66前期
半円タグのアイリッシュセッターの色味は特有の魅力があると思います。比較的新しい年代でありながら、色が大きな特徴であり、魅力だと思います。
66前期は、ヴィンテージデニムとしての年代は新しく、色落ちの良さで定評、人気があります。
80年代後半のアイリッシュセッターと501ビッグE
80年代後半のアイリッシュセッターは四角ステッチはないながら、革の色味、雰囲気はとても魅力的です。
501 ビッグEは、隠しリベットを備えず、ディテールやシルエットは新しくなっていますが、ヴィンテージの持ち味は十二分に感じられる魅力を持っています。
70年代後半から80年代前半のアイリッシュセッターと501XX 紙パッチ
70年代後半のアイリッシュセッターは四角ステッチを備え、残存数もそれよりも前の年代に比べればあり、ヴィンテージ・アイリッシュセッターの代表的存在のモデルの一つだと思います。この年代のソールは、レッドウイングブランドのOEMソールです。

50年代後半から60年代の前半のリーバイス501XXは、隠しリベット、紙パッチを使用しているのがディテールの特徴の一つです。その前の年代の革パッチに比べると、残存数もあり501XXとして、比較的身近な存在です。
60年代から70年代前半のアイリッシュセッターと501XX 革パッチ
60年代から70年代前半のアイリッシュセッターは、Du-FlexのCush-n-Crepeソールを使用しています。タグは60年代の初め頃までは刺繍タグ、それ以降はプリントで生産国表記のないタグになります。この年代のアイリッシュセッターは、希少性も高く、コンディションの良いものは革の色味、醸し出すオーラも相当なものがあります。
40年代後半から50年代前半のリーバイス501XXは、革パッチを備えているのが共通の特徴です。初期のものは片面タブ、それ以降は両面タブになります。この年代の501XXの生地の色味、醸し出すオーラはかなりのものです。
50年代のアイリッシュセッターと501XX バックルバック
現存する50年代のアイリッシュセッターは、刺繍タグのものがほとんどです。(刺繍タグは50年代の後半)ソールはCush-n-Crepeでも最初期と思われる古い年代のもので、パターンが粒状のものが多く、また、ソールのブランドタグが貼り付けになっているのが特徴です。
この年代の革は、最初期のオロラセットです。オロラセットが開発され、アイリッシュセッターが誕生しました。オロラセットレザーは、アイリッシュセッターの原点です。
革はとても特有の色味、風合いを持っています。醸し出すオーラ、雰囲気も素晴らしいです。希少性は非常に高いです。
現存する30年代のリーバイスのバックルバックの多くは、赤タブがついたものが中心です。赤タブは1937年に登場し、それ以降の製品に取り付けられています。バックルバックと呼ばれる、シンチベルトに針のついたバックルを備えているのが大きな特徴です。シンチバック、クロッチリベットなど、戦前のモデルのみのディテールを備えています。希少性は非常に高いです。
90年代のレッドウイングアイリッシュセッターの半円犬タグは、70年代前半のリーバイス501 66前期に相当すると思っています。








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