ロングホーンインポートのプレミアムヴィンテージ XXプログラム (委託売買仲介プログラム)で取り扱う1970年代のアイリッシュセッター877を紹介します。
877は、1952年に誕生したアイリッシュセッターを代表する超定番モデルです。誕生から64年後の2016年現在も基本的なデザイン仕様はほとんど変わっていません。
877は基本デザイン、仕様は変わりませんが、年代ごとに細部の仕様や特徴があります。本品の仕様上と特徴を紹介します。
Du-Flex トラクショントレッド・クレープ ソール
アイリッシュセッターは、ウェッジソールと呼ばれるかかとのないフラットな白い(クレープ)ソールのイメージを持っている人は少なくないと思います。
ウェッジ クレープソールを最初に備えたのが877です。そして、現在の877もその特徴的を継承しウェッジのクレープソールを使用しています。
現行品のウェッジ クレープソールの接地面は、波状にうねった特徴あるパターンをしています。この波状のパターンは、トラクショントレッドと呼ばれています。
トラクショントレッドのウェッジクレープソールが最初に登場したのは、1959年、または1958年頃です。
下は1960年のレッドウィングの広告です。右下のTractionTred(トラクショントレッド)の表示とソールパターンが描かれています。

最初のトラクショントレッドソールは、土踏まず部にDu-FlexのCush-n-Crepeのロゴが入っています。
本品のソールにもDu-Flex Cush-n-Crepeのロゴ入りです。
1970年代の後半から、レッドウイングのロゴ入りのOEMのトラクショントレッドソールに変更され、以降はレッドウィングロゴのソールになります。
アイリッシュセッターで、このDu-Flexのソールのロゴが入っている場合は、70年代後半以前。レッドウィングのロゴが入っていれば、70年代後半以降と判定できます。
アイリッシュセッタータグ
本品は、通称四角犬タグと呼ばれるアイリッシュセッターの犬のイラストが中央にプリントされたタグが、右足のベロの裏側に取り付けられています。
この四角犬タグのタグは、1960年代から1990年頃まで使用されました。タグの表記デザインには幾つか種類があります。
本品は、”Irish Setter Sport Boot”の右下に、”MADE IN AMERICA”の表記が入るタイプです。この”MADE IN AMERICA”の表記が入るようになったのは、1970年代の中頃からになります。
本品は、Du-FlexのソールにMADE IN AMERICAのタグから、1970年代の製品であると判定できます。製造された年代は、1975年頃から1977/78年頃と推定しています。
RED WINGとその下の刻印
70年代以降のアイリッシュセッターは、通常、外側のRED WING刻印の下に製造年と月を意味する数字が刻印されています。
しかし、70年代の製品の刻印はあまり深く刻まれていないため、読み取りが困難なものも珍しくありません。
本品の刻印部の拡大写真です。RED WINGの下に2と思われる数字があります。その前の数字は読み取りが困難です。70年代のレッドウイングの外側の数字の刻印は、製造年が先でその後が製造月です。(80年代とは順序が逆です。)
レクタングル・バータック / 四角ステッチ
古い年代のアイリッシュセッターは、羽根の先にレクタングルバータックと呼ばれる四角のカン止めステッチが入れられているのが特徴の一つです。
レクタングルバータックは、1985年以前のアイリッシュセッター877や875に入れられています。
備考
日本では、レクタングルバータックのことを、スクエアステッチと呼ぶ場合がありますが、”スクエア”と言うのは、正方形のことです。レクタングルは長方形です。
本品は、比較的4辺が同じ長さで正方形に見えなくもありませんが、ほとんどのレクタングルバータックは長方形です。また、数学用語的には正方形は長方形に含まれます。逆はありません。
言葉的に、スクエアステッチというのは、当てはまりません。
そのため、本ブログを含めロングホーンインポートでは、四角ステッチ、またはレクタングルバータックと呼んでいます。
各部の詳細写真
各部の写真です。
コンディション
877に使用されている革は、年代によって色味、風合いが異なります。また、個体差も大きいです。さらに、革のダメージ具合、手入れ、保管のされ方によっても状態が大きく異なります。
本品の革のコンディションは(かなり)良好な部類だと思います。特に目立った傷もありません。
ステッチの状態も良好です。
サイズ
本品は、表記サイズが読み取れないため、表記サイズは不明です。
現オーナーの方は、8.5Dか9Dがジャストサイズで、本品を履くと足先にゆとりがあること、幅にもゆとりをかんじるため、10か10.5のワイズEくらいではないかとおっしゃっています。
オーナーさんは、インソールを入れて、紐を締めて履いて少し幅にゆとりを感じる着用・サイズ間だとおっしゃっています。
アウターソールの実寸
かかとからつま先まで、約30cmと少しくらいです。
幅は、10cmちょっと位に見えます。
本品のロングホーンインポートWebストアのページ:
70年代 レッドウイング アイリッシュセッター 877 Du-Flex ソール
ご質問がございましたら、お気軽にロングホーンインポートへお問い合わせください。
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