タイガーブランドは、比較的古い年代のヴィンテージ・バンダナとして知られています。また、タイガーブランドは個性的でデザインに優れた柄が多いのが特徴です。古めの年代、魅力的な柄、希少性もありバンダナのブランドの中でも特に人気が高いです。
ロングホーンインポートでもタイガーブランドは人気で売れ筋の商品です。
60年代頃以降のヴィンテージバンダナにはRN番号が記載されているのが通例です。タイガーブランドには、RN番号ではなく、RN番号と同様の意味を持つWPL番号が表示されている事も大きな特徴の一つです。WPL番号は1941年から1959年まで交付されました。
つまりWPL番号を表記しているタイガーブランドはこの期間にWPL番号を取得した事になります。WPL番号は、00101から13669まで交付されました。交付は番号順のため、若い番号であれば交付期間の初めの頃に取得した事が分かります。
WPLの交付期間は18年、合計約13600社が登録されました。単純に登録件数を交付期間で割った場合、年平均756件の登録数となります。
タイガーブランドのWPL番号は9939です。番号から、恐らく1950年代前半頃にWPL番号を取得したと推定します。
このことからタイガーブランドのWPL番号が記載されているバンダナは1950年代前半以降であることが分かります。
また、WPL9939から登録した会社名を検索すると、Victor Handal & Bros Incと言う名の会社の登録であることが分かります。
(関連記事:ヴィンテージ バンダナの研究: RNとWPL番号から分かる事)
下の写真は、今回新しく入荷したタイガーブランドのバンダナです。
下の写真は、この2枚のバンダナの右下にあるおなじみのブランドロゴ表示部です。
タイガーのロゴ(イラスト)、両脇に”WASH FAST”, “COLOR”が表記されています。これは通常のタイガーのロゴ表記です。また、このタイプの表記方法は、エレファントブランドの古い年代の下がり鼻(下鼻)の両脇に”FAST”, “COLOR”の表記方法と似ています。
このことから、一般的にタイガーブランドはエレファントの下がり鼻(下鼻)と同年代頃との推定が一般的です。
今回、この2枚のバンダナを見ていて、非常に面白い発見をしました。
上のバンダナは通常のタイガーでおなじみのWPL9939ですが、下はなんとWPLでなくRN 15898と表示されていました!
FTCのサイトで登録番号の検索をしてみると、RN 15898は”HANDCRAFT MFG CO”の登録番号である事が分かりました。
RNやWPL番号は、 1社につき一つの番号しか交付されません。
(FTCのサイトからの情報。FAQの9番参照の事。関連記事:ヴィンテージ バンダナの研究: RNとWPL番号とは?)
異なる番号が表示されている事は、基本的に以下の二つのどちらかと考えられます。
- このバンダナの柄の版権、使用権をRN 15898のHANDCRAFT MFG COが取得して、タイガーと同じ柄のバンダナを製造、販売した。
- RN 15898のHANDCRAFT MFG COがタイガーブランドのVictor Handal & Bros Incを買収、または合併し、自社のバンダナとして製造、販売を行った。
1. の様な、同じ柄を異なるブランド、会社が製造、販売する事例はあります。Webストアで販売中のバンダナでも同じ柄でエレファントとRN13960の異なるメーカー製のものがあります。
https://www.longhorn-imports.com/e-store/vintage-bandana/elephant-brand?product_id=120
https://www.longhorn-imports.com/e-store/vintage-bandana/paris-tower-rn13960?product_id=119
しかし、柄は同じでも、RN番号だけでなく、ブランド名、表記方法が異なります。今回の場合は、タイガーブランドのロゴマークと表記が同じであることがポイントだと思います。ロゴマークを使用していると言うことは、柄の版権、使用権だけでなく、ロゴの使用権も取得している事になります。
このことから、2. のRN15898社がタイガーブランドを買収した可能性が高いと推測します。
また、RN15898は番号が1959年交付開始時の13670に比較的近い事から、登録番号取得は60年代の初め頃と推定します。このRN番号のタイガーのバンダナの表記に加え、生地、ステッチ等から、このバンダナの製造時期は1960年代と推測します。
恐らく、1960年代(の前半頃)にタイガーブランドのVICTOR HANDAL & BROS社はHANDCRAFT MANUFACTURING社に買収されたのではないかと考えております。RN番号付きのタイガーブランドのバンダナは買収後比較的すぐに製造された製品と推定しております。
タイガーブランドでRN15898の表示があるバンダナを見かけた、または、ご所有の方、そして、何か情報をお持ちの方、いらっしゃいましたら、ご連絡下さい。よろしくお願い致します。
初めまして。
たった今、以前書かれた記事や他のサイトを参考に、バンダナについて勉強しているところ、新しい記事の更新があったので驚きました!布1枚のバンダナでも奥が深くてすごく楽しいです!バンダナ以外でもいろいろと参考にさせて頂いてるので、更新が楽しみです。
はじめまして。コメントありがとうございます!
ヴィンテージのバンダナはまだ解明されていない事も多く、謎解き的な楽しさもあるかと思います。バンダナ関連については、色々と調べている事等を記事にする予定でおりましたが、長らくしておりませんでした。
これからは、色々、バンダナ関連の新しい記事を投稿しようと考えておりました。
コメントを頂いて、とても励みになります。新しい記事を書く気持ちが高まってきました。
本当にありがとうございます。
ご質問や知りたいこと、記事にして欲しい事等ございましたら、お知らせ下さい。どの程度、お答えできるか分かりませんが、できる限り(分かる範囲で)お答えや対応致します。
今後ともよろしくお願い致します。
こんにちは。
コメントに返信していただきありがとうございます!
もしよろしければ、vintage bandana の年代判別について、
その他の判断材料がありましたら是非知りたいです。
当方、片耳・両耳くらいまでしか分からないです…。
もちろんその他の記事も楽しみに拝見させて頂いてます!
よなはさん、コメントのお返事ありがとうございます。ヴィンテージバンダナの年代判別についての方法、アプローチ、判断材料についてお知りになりたいとの事、了解しました。基本的には、メーカー、表記内容、ディテール、生地、ステッチ、柄等が判断材料となります。まずは、大まかな年代から絞り込んで行くのが基本です。分かってくれば、年代の判別は比較的簡単になってくると思います。
色々な角度から、これから記事を書いていこうと思います。それらをお読み頂いて、ご質問がある場合は是非、コメント下さい。
それから、最近、ツイッターの方でヴィンテージの愛好家の方とバンダナ関連でのやり取りがありますので、もしよろしければそちらもご覧になってみて下さい。
今後ともよろしくお願い致します。