ロングホーンインポート

厳選したヴィンテージとUSライン定番ジーンズの販売、ヴィンテージに関する情報等を発信しています

2016年春夏コレクション 新製品 Mil-1 Blucher Oxford

レッドウィングジャパンがFacebookに、2016年春夏モデルの新製品第一弾、Mil-1 Blucher Oxford(ミルワン・ブルーチャー・オックスフォード)の紹介記事を投稿しました。発売開始は2月末の予定とのことです。

以下レッドウィングジャパンのFacebookに投稿されている商品説明を引用しながら本品の紹介をします。

製品自体もさることながら、ネーミングにもコダワリが感じられます。名前から本品の特徴も示されています。

Mil-1とは?

”Mil-1 Blucher Oxford”の名前の最初にあるMil-1は、使用するラストのスペック・木型のことです。Milは、ミリタリーを意味しています。

このミルスペックのラストで実際に軍用靴に使われたものは、Mil-1、Mil-5、Mil-7 などいくつか知られていますが、なかでも「Mil-1」はオフィサーシューズ用のラストです。

このMil-1ラストは1940年代に使用されていたNAVYラストをベースに、1953年に規格化され、1950年代半ばからアメリカ軍の統一オフィサーシューズラストとして使われるようになりました。

実用的・機能的でありつつ、軍の尊厳を象徴すべく存在するオフィサーシューズ用に設計されたこのラストは、アメリカの靴ならではの機能美を持っています。

(中略)

2016年の春に新発売となるレッド・ウィングの新製品には、このラストを使うことにしました。

Mil-1は、オフィサー・シューズ用のラストということです。オフィサーは、将校・指揮官を意味します。戦場・現場用と言うよりは、指揮系統の現場で使用する靴のラストだと解釈できます。

写真を見ても、とても雰囲気のあるラストであることが分かります。

レッドウィングジャパンのFacebookには以下のような評があります。

このラストの実に「アメリカ的」なたたずまいは、1930年頃レッド・ウィング社が製造していた短靴のデザインにも見られます。

確かに短靴でも、アメリカとヨーロッパではかなり異なると思います。

製品名の冒頭にも使用されている様にMil-1 ラストを使用していることが、Mil-1 Blucher Oxfordの大きな特徴と言えると思います。

Blucher Oxford

レッドウィングジャパンさんの説明を引用します。

Blucher (ブルーチャー) とは主にアメリカの靴に使われる言葉で「外羽根式」という意味です。イギリスなどでよく「ダービー」と呼ばれるようなオーソドックスな外羽根式の短靴がブルーチャー・オックスフォード、という訳です。

Mil-1 Blucher Oxford は ライニング無しで作られていた1930年代のワークシューズとは異なり、フルレザーライニングとし、下部を土踏まずまで伸ばしたバンプ、隠しハトメ式の6つのアイレット、オフィサーシューズに見られるT型バックステーとして、ラストの持つフォーマル感を活かすデザインにアレンジしました。

 

備考

言葉・用語の定義は色々あります。レッドウィングの用語は、アメリカの比較的ゆるい定義のものです。

上で引用している説明では、Blucherは外羽根式となっています。日本でも「Blucher」を辞書で引くと、”履き口が外に開き,ひもで締める形の男性用の靴。ブラッチャー。”との説明があります。

日本でもBlucherは外羽根式の意味で、認知・解釈されていることになります。

しかし、英語のWikipediaのBlucher shoeの説明では、”derbyに似た(オープンレーシングシステム)スタイルで、バンプが一枚革でできている靴のこと。”となっています。この定義の方が、厳密な区分けです。

blucher
Photo: SHOEPASSION.COM

Derbyは、シューレースのアイレットとクウォーターがヴァンプの上に縫い付けられているもののこととあります。”DerbyシューズはBlucherとして用いられることもありますが、技術的にはBlucherはアイレットタブだけが一枚側のヴァンプに縫い付けられているもので異なります。”と説明があります。

derby
Photo: SHOEPASSION.COM

そして、Oxfordは、DerbyとBlucherがオープンレーシングシステム(外羽根式)であるのに対して、クローズドレーシングシステム(内羽根式)であるのが特徴として定義されています。

oxford
PHOTO: SHOEPASSION.COM

アメリカでは、オックスフォードを短靴を総称した名としても使われる場合があります。レッドウィングの場合、伝統的に短靴をオックスフォードと呼んでいます。

靴の構造を示す用語では、BlucherとOxfordは異なるのですが、上で引用したレッドウィングジャパンの説明にある様に、レッドウィングの場合は、外羽根式の短靴の意味でBlucher Oxfordと呼んでいると解釈しています。

レザー

”キャバリーチャッカと同じエスカイヤ・レザーを使用。ヘファーハイド(雌の成牛の皮)をなめし、レジンのトップコートを施しポリッシュした艶感の強いレザーです。

カラーはブラックとシガーの2色。シガーはブラックとダークブラウンの2層の塗膜にポリッシュをかけてかすかな模様を出したブラッシュオフタイプです。”とのことです。

ソール

ジラード Gro Cord Soleソールはレザーソールにラバーのタップ(半張り)を組み合わせたグロコード・メダリオン・ソール。キャバリーチャッカやジラードブーツと同じとのことです。

まとめ・感想

ラストにミリタリーオフィサーシューズのラストを使用するなど、アメリカンクラシックな佇まいを感じさせるドレスシューズだと思います。

ベックマンは、クラシック・ドレスの位置付けでしたが、Mil-1 Blucher Oxfordはよりドレッシーさがより強く感じられる意欲作だと思います。

コメントを残す

*

Return Top